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bootrecコマンドでMBR情報・BCD情報を修復

Windows 10のPCでスリープ機能を多用していると、更新プログラムの適用やデバイスドライバーの更新時ぐらいしか、PCを再起動することはないだろう。久しぶりにPCを再起動すると、起動しないトラブルに見舞われることも。

PCが起動しないときは、非常に多くの原因が考えられる。そのひとつとして、Windows Vista以降であれば、マスターブートレコード(MBR)、もしくはブート構成データ(BCD)が破損している可能性がある。

Windows 10は自動的にスタートアップ修復を試みるが、それでも起動しない場合は手動修復が必要だ。その際は、Windows 10インストールメディアか、回復ドライブが必要となる。後者に関しては、以前の記事(第69回第70回)を参照してほしい。

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    回復ドライブからPCを起動し、Windows回復環境(Windows RE)のオプションとして「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」と順にクリック/タップ

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    コマンドプロンプトが起動したら、下記コマンドを1行ずつ入力して「Enter」キーを押す

bootrec /ScanOs
bootrec /FixMbr
bootrec /FixBoot
bootrec /RebuildBcd
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    「bcdedit /enum」と入力して「Enter」キーを押すと、BCD情報が表示される。問題がなければ「exit」と実行してコマンドプロンプトを終了し、「続行」をクリック/タップしてWindows 10を起動する

上図で実行しているのは、MBRやBCD情報を修復するbootrecコマンドだ。「/ScanOs」を付けた場合、すべてのドライブに対してスキャンを実行し、現在のBCDに含まれないエントリーを列挙。「/FixMbr」はWindows 10で使用するMBRを使って、システムパーティションのMBRを上書きするが、現在のパーティションテーブルは変更しない。

「/FixBoot」はWindows 10で使用するブートセクターを使って、システムパーティションのブートセクターを上書きする。「/RebuildBcd」はすべてのドライブに対してスキャンを実行し、BCDに追加するか選択するオプションだ。

本来は症状に合わせたオプションを1つ2つ組み合わせるだけで構わないのだが、PCが起動しないというトラブルを考えると、すべてのオプションを実行することをおすすめする。

阿久津良和(Cactus)