確か中学生頃のことだ。気になって仕方がないことがあった。それまで気に留めたこともなかったのに、ある日突然気になりだしてからは止まらない。何が気になったかって、自分の鼻である。視線を顔に近づけると視界の隅っこのほうに見える鼻。気になりだすと、ほかのことが手につかない。前を見ても右にクビを傾けても見える。視界の中で離れない、ついてまわる鼻が邪魔で仕方なかった。年をとるに従って、気になって仕方がない回数が減っていく。そして、大学生になった頃には鼻を気にしていたことすら忘れてしまい、普通に生活するようになった。

ところが、鼻が気になりだす事態が再びやってきた。今度は鼻そのものではなく小鼻。鏡の中に映った私の鼻には黒いツブツブがついている。これが目に付いて仕方がないのだ。爪で引っかいても取れない。クレンジングクリームを使っても、洗顔石鹸を使って顔を洗っても、あれこれ試してみるがきれいにならない。手元にある手鏡を開いては、小鼻のツブツブに目をやってしまう。この黒いツブツブを取り去らねば……。そんななか、5月にナショナルから毛穴吸引器「スポットクリア」EH2513が発売となった。ナショナルでは1998年に毛穴吸引器の第一号を発売している。今回発売されたEH2513が従来品と違うのはパワーだ。吸引力が25パーセントもアップした。

ナショナル毛穴吸引器「スポットクリア」EH2513。下の台は充電器

美しさは努力して手に入れるもの

話は変わるが、先日あることがきっかけで人間の心理に関する本を読んだ。営業職の方が成約率を上げるための策、人間関係を良くするための言葉、相手を自分の思い通りに操る方法とか、どうすればよいかが書いてある本だ。はっきり言って、私はこの手の心理本が好きではない(ならば読むなよ!)。でも、手に取った勢いで読んでしまったのだ。もちろん、本を読むことは好きだ。同じ心理学でも発達心理学、社会心理学などの論文は読んでいて面白い。人間の心という目に見えないものに対して、研究者が仮説を立てて結論を導き出そうとする。その過程が面白いし、アプローチのやり方にも個性がある。また、発表された後、別の研究者が反対の説を打ちたてる。それもまた、興味深いものがあるのだ。決して、私は心理学が嫌いというわけではない。ただ、データも根拠もなく、自分の経験をもとに小手先で書かれたものがあまり好きではないということだ。もちろん、これは私個人の意見。心理に関する読み物を読んで、仕事やプライベートに役立てているのならそれはそれでいいのだ。その方に対して、私がとやかく言うことではない。

要するに、この手の本に書いてあることが私の意見とは違うから好きになれないだけのことだ。<視線が合ったら実は先にそらしたほうが優位に立てる>とか、<相手が嘘をついているときは視線を右に動かしやすい>の類だ。要するに駆け引きをすることで自分の位置を相手よりも高くするテクニックが書かれている点が相容れないのである。私は私を取り囲む環境下において、周囲の方とは性別や年齢、収入に関係なく対等な関係でいたいと思っている人間だ。どちらかが優位に立って相手を支配するのではなく、互いの考えや環境、立場を尊重しあう。そんな関係が好きなのだ。相手がずるい人間でセコく得をしたいと思っているのなら、得をさせてあげればいい。だから駆け引きなんていらないし、相手を自分の思い通りにするとか、支配するという考え方そのものが好きになれないのだ。

ただ、この本に一箇所だけ共感できる部分があった。この著者は体型を維持するため、専属のトレーナーを雇ってジムに通っているという。時間かもお金もかけているのだ。

女性は年とともに美しさがおとろえる。それは仕方ないことだ。子供を産めば腰まわりが太くなる。でも、少しでも体型を維持しようと努力する点に私は好感を持った。

「美しくなりたいのなら努力よ。努力」

そんなわけで、私はしっかりと手入れをして、今ある美しさをキープしたいと心に決めた。そして、毛穴吸引器「スポットクリア」EH2513を買おうと思ったのだ。

女性として、実年齢よりも若く見られたいと願うのは自然なこと。でも、サプリメントを飲むとか、その程度のことで簡単に手に入る若さよりも、しっかりと時間をかけて手入れして効果を出したほうが全うなような気がする。

スポットクリア背面。キャップをはずして水を入れる

使い方は簡単だ。まず、背面のキャップをはずし、タンクに水を入れる。本体のスイッチをオン。吸引口を鼻にあてる、それだけでいい。鼻筋上から鼻の先端に向かって、スポットクリアを滑らすように使う。小鼻は外側から鼻筋に向かって、すーっ、すーっ、と滑らすように使うのがポイントだ。吸引器だからといって、鼻に当ててスッポーンと垂直に引っ張るのは、肌に良くないらしい。吸引した後が紫色のあざにでもなったら、美しくなるための吸引器の効果がなくなってしまう。それにしても、使い心地は抜群だ。すーっとした密着感がとても良いのである。ただし、使いすぎは肌を傷めるもとになる。週に2~3回程度に抑えておく必要があるという。何事もほどよさが大切なのだ。機能は小鼻の毛穴部分を吸引してきれいにしましょうというシンプルなもの。その割に汚れを取れやすくするための仕掛けがあって奥深いものがある。詳細は次回に。

イラスト:YO-CO