床を掃除するとき、ノズルを前後に動かしてゴミを吸い取っていくのが一般的だ。向こう側に動かすときと、手前側に動かすとき、どちらに力を入れるだろうか。多くの場合、手前から向こう側に動かすときに力をいれているのではないだろうか。ところが、掃除機は向こうから手前に引くときのほうが、集じん効果が高くなるように設計されているという。ずっと前、この話を聞き、私は手前側に引くときに力を込めてゆっくりとノズルを動かすようにしたものだ。

このMC-P7000JXはそんな気遣いは不要だ。なぜなら、「ダブルドライブノズル」なるものが搭載されているからだ。掃除機のノズル部分をひっくり返すとわかるが、ゴミを集めるための回転ブラシがついている機種がある。床の上にノズルを前後させるときにブラシが回転してゴミを吸収しやすくしているのだ。このダブルドライブノズルは名前の通りノズルがふたつ。ブラシがゴミを挟み込んでかき上げるように設計されている。微妙に斜めになったブラシの角度を見るぐうたら主婦。以前、電機メーカーに勤めていたせいか、きっと設計者はどの角度にしたら一番集じん力が高くなるのか、あれこれ実験したのだろう、などと勝手に妄想してしまうのであった。

松下によると、ブラシの回転数を従来の約1.5倍にして、かきだし力を高めたという。実際手にとってみると、意外とずっしりした感じの安定感。かといって動かすのが重くて大変ということはない。ノズルを前後に動かしているとランプが緑になってその場がきれいになったことがわかる。次のスペースに移って掃除機をかける。これを繰り返すうちに、部屋がきれいになるわけだ。

色はそれぞれのバージョンから3色ずつ出ている。MC-P7000JXはメタリックシルバー、ジャパンゴールドなど、MC-P700Jはアプリコットオレンジ、サファイアブルーブルーなど、そしてMC-P700Jはスパークリングロゼなどから選べる。色もきれいだしデザインもいい。ノズルをはずして本体だけなら、リビングに置いても見苦しくはない。私はリビングに置いても違和感のない家電が好きだ。クローゼットからの出し入れはめんどう。できれば避けたいのである。ぐうたら主婦としては満足な商品だ。

MC-P7000シリーズ。MC-P7000JX、MC-P700JX、MC-P700Jの3つのバージョンがある

メガアクティブイオンで捕集効果がアップ

特徴的なのは、「メガアクティブイオン」を室内に放出するところ(MC-P7000JX)。マイナスイオンの一種ともいえるメガアクティブイオンが空気中の細かなホコリを帯電させて、「逃がさんパック」の捕集効果を高めるのだという。「逃がさんパック」というのは立体三層構造の不繊布を使用した独自の紙パック。微細なゴミまでからめとるところが特徴だ。微細なハウスダストも約99.9%キャッチして逃がさないという。その理由はメガアクティブイオンのおかげ。吸い込んだホコリは「逃がさんパック」が電位差でしっかりキャッチ。空気中に浮遊する微細なハウスダストまで撃退するのだそうだ。頼もしい。

取手は前面についているので、持ち運びも便利。我が家は階段がないから良いが、掃除機を持ちながら階段を昇り降りするのってけっこう大変なのである。掃除機って意外と重いのである。でも、この掃除機なら、階段の掃除もラクラクできる。

だいたい、物を持って重いと感じる重量は人によって違う。バッグに単行本や雑誌、ノートパソコンなどを入れても平気な男性をよく見かけるが、私は雑誌が2冊入っただけで、移動するのが苦痛になってしまう。仕事上、デジカメを持って歩くこともよくあるが、私にとってデジカメ一眼レフはこの上なく重い物のひとつだ。それぞれ人の感覚は違うのである。

逃がさんパック。ふたを開けてパックを交換する

ノズルが異なる3つのバージョン

バージョンは最高機種がMC-P7000JX。こちらはメガアクティブイオン、3段式伸縮ロングすき間ノズル、ふとん清潔ノズルがついている。真ん中がMC-700JX。すき間ノズルはついているが3段式ではない、さらに下のMC-P700Jはふとん清潔ノズルがついていない。必要なノズルと色、予算によってバーションを選ぶことになるわけだ。

価格はマイコミジャーナルの価格情報(6月中旬)では最上位のMC-P7000JXが52,500円~69,840円。真ん中のMC-700JXは40,950円~59,639円、MC-P700Jは36,140円~43,600円だ。ノズルの種類と性能によって、どれにするかが決まる。機能が少ない一般の掃除機なら、20,000円程度で買えるものもある。MC-P7000JXは商品としては、お値段は安いとはいえない。ただ、ハウスダストセンターは魅力的な機能だ。

ワーキング・マザーにとって時間は貴重だ。夜にやっと作り出した時間を使って掃除をしたのに、翌朝明るいところで床を見たらきれいになっていなかった。「やり直しっ!」というのでは時間がもったいない。仕事はていねいにやったほうがまわりの人も気持ちがいいし、後戻り工数も少なくて済むのだ。とはいえ、効率が悪すぎるのはよろしくない。そこで、ハウスダスト発見センサーを使えば、必要以上に長く掃除機を当てる必要もないし、ゴミの取り残しもなくなる。

さらに、ハウスダスト発見センサーで徹底的に部屋をきれいにすれば、次に部屋が汚れるまでの時間が伸びるのではないか。そうすれば、掃除の間隔を長くすることも可能なのではないかと私は感じた。などと、すぐ家事の手抜きを思いついてしまう。

本来、この商品はハウスダストを減らしたり、排気をきれいにする機能がついていたりと、主婦なら誰でも使いやすい商品のはずだ。それなのに、手抜き、もといっ、効率化につなげてしまう。本当にいつもすみません。

イラスト:YO-CO