「掃除は朝するもの」。私の実家には祖母がいた。朝、フトンを押入れに入れると、彼女はほうきを使って、たたみの部屋を掃く。もちろん、家には掃除機があったがあえて彼女は柄の長いほうきを愛用していた。

夜は汚れに気づきにくい。夜中掃除を終えたときは完璧!と思っても、朝になって床に目をやると、「まだ、こんなにホコリが積もっていたのか!」と驚くことがある。こまめに掃除をすれば、ゴミの取り残しなんてものとは無縁でいられるのだろうが……、って偉そうに言う前にこまめに掃除をするように心がけます、はい。

それはそうと、明るい昼間のほうが夜よりもホコリは見えやすいというのは事実。でも、働く主婦としては昼間のうちに仕上げておきたい仕事がある。そんなとき、気がつくと掃除は後回しになってしまう。

掃除機のなかには、夜に掃除をするのに適しているものとそうでないものとがある。都内のマンションでは、音が大きくうるさいものはダメである。できれば、ほこりやゴミの取り残しがないか確認できる機能があると便利だ。今回紹介する掃除機は、この条件にあてはまるものだ。松下家庭用掃除機MC-P7000シリーズ、紙パック式の掃除機だ。音は夜使っても、ある程度壁に厚みがあるマンションなら問題ないレベルだといえる。

松下家庭用掃除機 MC-P7000JX。メタリックな色づかいがいい

小さなゴミをセンサーで検知

MC-P7000の機能には「ハウスダスト発見センサー」という便利なものがある。この掃除機にはわずかなチリを検知するセンサーが搭載されているというのだ。掃除をしていると、きれいにしたつもりでもチリが残っていることがある。特に夜。だからといって、すでにきれいになった床に何度も掃除機をあてるのは時間の無駄。ワーキング・マザーとしては、効率よく短時間で掃除を終わらせたい。でも、手を抜いたおかげで、ゴミは取り残しだらけ……、というのもイヤなのである。

そこで登場するのがこの「ハウスダスト発見センサー」。約20μmの微細塵まで検知するというから驚きだ。ホコリはもとより、花粉やダニまで検知してランプで知らせてくれる。アレルギー対策としても使える。掃除機がたくさんゴミを吸っているとき、ランプは「赤早点滅」。量が少なくなるに従い、「赤点滅」「赤点灯」と変わっていく。ゴミの検知がなくなり、床がきれいになったらランプが赤から緑色に変わるのだ。緑色を合図にすれば、夜でも取り残しがなくて済む。しかも、ゴミの量にあわせてパワーも制御。省エネにもなるのだ。

ハウスダスト発見センサーがゴミを検知するとランプは赤色に。緑色に変わったら、きれいになった証拠

本当は違うんだ……

はっきりモノを言うことが苦手だというひとを良く見かける。例えば、私がそうだ。私がこのお知らせランプを見て、ピピッと来たのはそのはっきりとモノをいう姿勢を貫くところなのだ。使い手がどんなに急いでいて、早く緑色に変わらないかなぁ~といった雰囲気を出してきても、「はい、まだゴミが残ってます。掃除を続けてください!」ときちんと言える。この姿勢が好感持てるのだ(機械なのだから当たり前なのだけれど)。

もし、私がこの掃除機だったら、ゴミは残っていることに気づいても、相手が急いでいることがわかったのなら、「はい、きれいになりました」って言ってしまいそうで怖い。もちろん、仕事に関する大切なことは別だ。でも、同じ仕事でも自分にとって直接関係ない部分に関することとなると、相手に合わせてしまう私がいる。

先日、知人と雑談をしていると、なんとなく相談モードになった。年をとっているせいか、ぐうたら主婦はときどき子育てのことや恋愛のことなどを相談されることがある。このときの相手の人はざっくばらんに女性の心理を私に訊ねた。

「女性って血液型によって、好ましい口説かれ方が違ってくるよね。O型はストレートに口説かれたいでしょ? AB型は一本取られた的な回りくどいほうを好むよね?」

きっと、相手の人がこれから付き合いたいと思っている女性はAB型なのだろう。それで、同じAB型の私に参考意見を求めたのだろう。AB型は人数が少ないから、私のほかに聞く相手が思いつかなかったのかもしれない。

「私に恋愛のことを聞くのは間違い。わからない」

こう私は答えたかった。しかも、私の周りにいる友達を見る限り、血液型に関係なくストレートに言われたいという人が多いように思える。はっきり言ったほうが好感を持たれるのではないか、と私は思った。でも、相手の人は自分の意見に同意を求めてくる。私は私自身の意見を率直に言うべきか、それとも相手に合わせて「そうそう、そうかもね」と、てきとーに答えておくべきか、私は迷った。多分、相手の人は心の中で自分なりに答えは持っていて、第三者の私に同意を求めたいだけなのだろうと私は感じた。結局、私は自分の意見は言わず「そうかもね」と答えた。

「でもね、私は違うと思うの……」

そう言ったあとのことを考えると気が重くなってしまったのも一因としてある。その人がその後、どのようになったかはお目にかかっていないのでわからない。

「本当はちがうのだけれど……」

心の中でこうつぶやくことが私は多い。だから、この掃除機のように、

「まだ、きれいになっていませんよ。もっと、頑張りましょう」

相手にとって、希望に沿わないことでも自分の意見をきっちり言えるところが私は好きだ。

「本当はちがうんだっ! 本当はこうなんだっ!」

きちんと自分の思っていることを相手に言える人間がうらやましい。ほかにも、使い勝手上、便利な機能があるMC-P7000。詳細は次週に。

イラスト:YO-CO