先週、富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が10月29日から31日までの3日間限定で、同社製モバイルノートPC「FMV Note U(UX-K3)」と同じ重さの“食べられるパソコン”「FMVentoU(エフエムベントウ)」を販売した。

  • 14型ノートPC「FMV Note U」……ではなく、食べられる「FMVentoU」が3日間限定で東京駅に登場した

    14型ノートPC「FMV Note U」……ではなく、食べられる「FMVentoU」が3日間限定で東京駅に登場した

14型ワイド液晶搭載モバイルノートPCとして、世界最軽量の「FMV Note U(UX-K3)」は、実に634gの軽量さを誇る。

今回のイベントは、この重量と同じ重さのお弁当「FMVentoU」を用意して通りすがりのビジネスマンに食べてもらい、それがいかに軽量であるかをアピールしようというものだった。

すでにイベント会期は終了していて、これから欲しいと思っても入手できないのは残念だが、初日は11時の販売開始から30分もたたないうちに完売し、急遽、15時からの販売再開になってしまうなど、予想を超える大人気だったようだ。

「重さ634gの弁当」で世界最軽量ノートPCの軽さを体感

価格は1,000円。実際に売ろうとしたら3,000円になるだろうという内容の弁当だから破格での提供だ。しかもさらに安くで購入できた。PCを持参したユーザーの愛機を計量し、634gより重い場合、その差分を1,000円から割り引くというサービスがあるからだ。

重いPCの携行ご苦労様代といったところだろうか。最大700円の割引だが、1,334g超のパソコンなら満額割引となる。ほとんどすべてのユーザーは、その恩恵を得ていたはずだ。

  • 「FMVentoU」を買う前にまず持参したノートPCの重さを測る

    「FMVentoU」を買う前にまず持参したノートPCの重さを測る

  • 持参したノートPCの重さと、FMV Note Uの634gの差分を1g=1円として、価格の1,000円から割り引いて「FMVentoU」を購入できる。利用者は持参ノートPCの重さなどが書かれた「領重証(りょうじゅうしょう)」をもらえる

    持参したノートPCの重さと、FMV Note Uの634gの差分を1g=1円として、価格の1,000円から割り引いて「FMVentoU」を購入できる。利用者は持参ノートPCの重さなどが書かれた「領重証(りょうじゅうしょう)」をもらえる

弁当はパッケージの中に4つの小さなパックが格納されている。

福井県のかに飯弁当、山形県のすき焼き弁当、静岡県の釜しらす弁当、北海道の石狩弁当の詰め合わせだ。これら全部合わせて容器込みで634gある。

  • FMVentoUの中身。弁当の重さはFMV Note Uと同じ634gに仕上がっている

    FMVentoUの中身。弁当の重さはFMV Note Uと同じ634gに仕上がっている

PCのFMV Note Uは島根富士通で作られているのに、どうして松葉ガニじゃないのかと尋ねたら、調達価格が3倍に跳ね上がることがわかったために断念したそうだ。

島根の宍道湖は日本有数のしじみ漁獲量を誇るのだから、しじみご飯を入れようという計画もあったようだが、魚介弁当になってしまうため、山形牛を選んだとのことだ。

こうした細かい気配りと、あれやこれやの戦略でこの弁当ができあがった。

「ムサシ」の軽さ、どのくらい? FCCLが天秤でアピール

634gというのはモバイルPCとしてはダントツの軽さだ。しかも14型ディスプレイの使い勝手は一般的なビジネスノートにひけをとらない。

この「634」という数字にもこだわりがある。というのも古巣ともいえる富士通株式会社の本社は神奈川県の武蔵中原駅が最寄りだからだ。それにちなんでムサシが目指された。

駅弁屋の裏側の展示スペースには「634g MUSEUM」があり、634gに近い身の回りのグッズとして、ペットボトル、10個入りの卵パック、単1形乾電池5本、毛布といったものが天秤に載せて展示されていた。

とにかくカバンに入れたことを忘れてしまうほどの存在感で、とてもPCを携行しているとは思えない次元の軽さが実現されている。

  • お弁当の販売だけでなく、634gがどのくらい軽いか体験できる「634g MUSEUM」も設置された

    お弁当の販売だけでなく、634gがどのくらい軽いか体験できる「634g MUSEUM」も設置された

次の一手は600g切り? 次世代の最軽量PCに期待

世界最軽量のFCCL製モバイルPCは、13.3インチ液晶時代のもので、2017年1月に発売されている。それが2017年10月に748g、2018年11月に698gと推移し、2020年10月に634gを記録している。

さらに、進化は続き、2023年1月に16:10の14型ディスプレイを採用したが、そのとき重量はいったん689gとなり、ムサシより55gも重くなってしまった。そのリベンジとして、2024年11月発売モデルで、再び634gを奪回し、今回のイベントは、それからちょうど1年の節目に開催された。

この勢いでいくと年をまたいだ次の新製品は、600gを切るかもしれないと、とんでもない期待をしてしまう。これだから素人は困ると言われそうだが、最初のムサシから今ちょうど5年が経過したところだ。そろそろ次のステップをと期待したくなる。

ちなみにレンジアップタイプの無菌包装米飯「サトウのごはん」は、1パックが200gで約0.6合のご飯だ。この弁当、4つのゾーンが100gくらいずつだと考えても400gで、ご飯の量は軽く1合を超えているにちがいない。食べるのがけっこうたいへんだったことを付け加えておきたい。

ごちそうさまでした。美味しくいただきました。