これまで国内で販売されていなかった NVIDIA GeForce RTX 5090 Founders Editionを搭載したPCが登場した。搭載されるGeForce RTX 5090は、GeForce RTX 50シリーズの最上位GPUであり、Founders Editionならではの独自設計による薄型デザインも注目を集めている。そのPCが、パソコン工房のiiyama PCから初めて販売される。
そこで今回は同GPUを搭載した「iiyama PC LEVEL-M8AM-LCR98D-XKMXB-Limited Edition [RGB Build]」を使って、その性能をレビューしていこうと思う。
また同製品は"NVIDIA GeForce RTX 5090 Founders Edition"を、幅206mm、奥行き432mm、高さ411mmのミニタワー筐体に収めている点が大きな見どころだ。4Kゲーミングはもちろん、ローカルLLMやAIエージェントを自分のPC上で動かすローカルAI用途まで視野に入るハイエンドPCとして、その実力をチェックしていこう。
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![今回検証に使った<a href="https://ac.ebis.ne.jp/tr_set.php?argument=HL02euFd&ai=a6a1e5c7b91231" target="_blank">「iiyama PC LEVEL-M8AM-LCR98D-XKMXB-Limited Edition [RGB Build]」</a>。記事執筆時点の価格は、883,800円となっている](images/002.jpg)
今回検証に使った「iiyama PC LEVEL-M8AM-LCR98D-XKMXB-Limited Edition [RGB Build]」。記事執筆時点の価格は、883,800円となっている
「NVIDIA GeForce RTX Founders Edition」とは?
Founders Edition(ファウンダーズ エディション)グラフィックスカードは、チップから基板、クーラーに至るまで、NVIDIAが設計を手がけており、公式仕様に基づいた安定動作の設計や冷却機構などが本製品の魅力となっている。
「NVIDIA GeForce RTX 5090 Founders Edition」だと何が変わる?
「最上位クラスの性能」×「小型」を実現
今回検証に使うのは、「GeForce RTX 5090 Founders Edition」が搭載されたPC。その最大の特徴はやはり、その“最上位クラスの性能”だ。
GeForce RTX 5090は、NVIDIA Blackwellアーキテクチャを採用するGeForce RTX 50シリーズの最上位モデル。21,760基のCUDAコア、32GBのGDDR7メモリを備え、ゲーミングだけでなくAI処理でも強力な性能を発揮する。
そのFounders Editionモデルは先述の通り、NVIDIAがチップ、基板、冷却機構まで設計したグラフィックスカードで、カード中央部に基板を配置し、左右に冷却機構を展開する「ダブル フロー スルー デザイン」を採用。2スロットのSFF対応デザインであり、コンパクトな形状にまとめられている。
このため、“ミニタワー筐体への搭載が実現できる”という点も魅力で、今回の検証機もミニタワーに位置づけられるモデルだが、同GPUの搭載が実現されている。大型のミドルタワーやフルタワーまでは置きたくないが、GPUは高い性能を求めたいというユーザーには特に刺さるハイエンドGPUなので注目必至だろう。
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前面。ミニタワーながら、Ryzen 7 9800X3DとGeForce RTX 5090 Founders Editionを搭載する
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背面。USB 3.0 Type-C、USB 3.0 Type-A、USB 2.0、2.5Gの有線LANなどを備える
CPUはRyzen 7 9800X3D、電源は1,200Wで余裕を持たせる
GeForce RTX 5090 Founders Editionの実力を試す前に、検証機の構成についても少し触れておこう。CPUにはAMD Ryzen 7 9800X3Dを搭載する。8コア16スレッドで、最大クロックは5.2GHz。第2世代AMD 3D V-Cacheを採用するゲーミング向けCPUとして人気の高いモデルで、GeForce RTX 5090 Founders Editionとの組み合わせでもゲーム性能を引き出しやすい。
メモリは32GB、ストレージは1TB NVMe対応M.2 SSDを搭載。最新ゲームを高画質で楽しむには十分な内容だ。電源は1,200Wという大出力で、80PLUS PLATINUM認証モデルを採用しており、TGPが575Wに達するGeForce RTX 5090を搭載するPCとしても余裕のある作りになっている。
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GeForce RTX 5090 Founders Editionを搭載する。GeForce RTX 50シリーズの最上位GPUでも2スロット厚に収まっているのが特徴だ
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グラフィックスカードはサポートステイで上下からしっかりと固定されているので安心だ
冷却面もハイエンド構成に合わせた設計となっている。CPUクーラーには240mmクラスの水冷クーラーを採用し、前面、天面、背面にファンを配置する。前面側から吸気し、天面と背面から排気するエアフローを作ることで、CPUとGPUの発熱を効率よく逃がす設計だ。
また、LEDファンによるドレスアップ性も高い。前面、天面、背面のファンが発光するため、ガラスサイドパネル越しに派手なライティングを楽しめる。LEDは見た目だけでなく、ハイエンドゲーミングPCらしい所有感にもつながる部分だ。
マルチフレーム生成でも低遅延で4Kゲーミングも快適
ではここからはベンチマーク結果からその実力を見ていこう。まずPCMark 10の総合スコアは11,806だった。Essentialsが11,354、Productivityが18,542、Digital Content Creationが21,212と、いずれも高水準だ。ゲームだけでなく、写真編集、動画編集、日常的な作業まで非常に快適にこなせる性能を備えている。
3DMark Fire Strikeのスコアは62,612。Graphics scoreは101,039に達しており、DirectX 11世代のテストでは圧倒的な描画性能を示した。3DMark Steel Nomadのスコアも14,191、Graphics testは141.91fpsと非常に高い。最新世代の重量級ゲームを高解像度・高画質で楽しむための性能は申し分ない。
実ゲームの検証では最新オープンワールドレースゲームである「Forza Horizon 6」を使用。4K解像度、画質"Extreme+RT"、DLSS"バランス"の設定でゲーム内のベンチマーク機能を実行した際のフレームレートをFrameViewで計測した。
DLSSマルチフレーム生成(DLSS 4.5 ダイナミックマルチフレーム生成。以下省略) なしでも平均109fps、最小値も81.4fpsと高い。4Kの重量級設定でも、素の性能だけで快適に遊べる水準だ。さらに、DLSSマルチフレーム生成を有効にするとフレームレートは大きく伸びる。MFG 2xでは平均185.8fps、MFG 4xでは326.6fps、MFG6xでは440.4fpsまで上昇した。DLSSの各機能を組み合わせることで、高リフレッシュレートの4Kディスプレイと組み合わせても、かなり余裕を持って使える結果と言える。
注目したいのはPC Latency(PCの内部遅延)だ。フレーム生成なしでは43.8msだが、DLSSマルチフレーム生成(DLSS 4.5 ダイナミックマルチフレーム生成)を含むDLSS機能を有効化した状態では、MFG2xで36.2ms、MFG 4xでは38.2ms、MFG 6xでも40.5msに収まった。フレーム生成を活用しながらも遅延は適切に抑えられており、プレイしていて遅延を感じることはほとんどないだろう。フレーム生成数を増やしても大きく悪化しておらず、GeForce RTX 5090の基本性能の高さが効いている。DLSSの包括的な活用によってフレームレートの大幅な向上と応答性の両立が実現されていると言える。
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NVIDIAアプリでは、対応タイトルでDLSSマルチフレーム生成6xを設定できる
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モニターのリフレッシュレートに合わせてフレーム生成数を自動的に変更する、DLSSダイナミックマルチフレーム生成もNVIDIA アプリから設定可能だ
ローカルAIエージェント環境にも強い。32GB VRAMとFP4対応が効く
GeForce RTX 5090のもう1つの強みが、32GBの大容量グラフィックメモリだ。いまPC活用で特に熱い分野の1つが、LLMをクラウドではなく手元のPCで動かし、調査、要約、コード生成、画像・動画生成などを組み合わせるローカルAIエージェント環境の構築だ。クラウドAIは手軽だが、扱うデータを外部に送らずに済むローカル環境は、プライバシーや機密性の面で大きなメリットがある。さらに、利用回数や待ち時間を気にせず試行錯誤しやすいのも強みだ。
このローカルAI環境で重要になるのが、GPU性能とグラフィックメモリ容量である。LLMや画像生成、動画生成のモデルはサイズが大きく、GPUメモリ内に収まるかどうかで実用性が大きく変わる。メモリに収まりきらない場合はCPUメモリ側とのやり取りが増え、速度が一気に落ちやすい。32GBのGDDR7メモリを搭載するGeForce RTX 5090なら、30BクラスのLLMなど、ビデオメモリを大量に使うモデルも扱いやすい。
実際に、UL Procyon AI Computer Vision 2.0 Benchmarkのスコアは14,670だった。推論エンジンはTensorRT、精度はFP16で、GPUとしてGeForce RTX 5090を使用している。AI画像認識系の処理でも、ハイエンドGPUらしい強力な性能を発揮している。
ローカルLLMを動かすための「LM Studio」を使った物語生成では、Qwen3.6 35B A3Bが262.43tokens/s、Nemotron 3 Nano Omni 30B A3Bが87.1tokens/sを記録した。
単純な生成速度ではQwen3.6が上回る結果となったが、Nemotron 3 Nano Omniはテキストだけでなく画像や音声なども統合的に扱えるマルチモーダル対応モデルであり、AIエージェント用途を強く意識した設計が特徴だ。ツール利用や複数のデータ形式を横断した処理に適しており、単純な生成速度だけでなく、実運用における柔軟性や拡張性という点で強みを持つ。
いずれもローカルLLMとして実用的な速度であり、AIエージェントの中核となる言語モデルを手元で動かす用途にも向いている。検索やファイル処理、コード実行などを組み合わせるAIエージェントでは、LLMを何度も呼び出すことになるため、応答速度の速さはそのまま作業効率に直結する。一方で、Nemotron 3 Nano Omniのようにマルチモーダル処理やエージェント連携を前提としたモデルは、より高度なワークフロー構築において価値を発揮しやすい点も押さえておきたい。
さらに、GeForce RTX 50シリーズではNVFP4に対応した点も見逃せない。NVFP4はNVIDIAが設計した4bitの浮動小数点形式で、FP16などよりも少ないデータ量で演算しながら、高精度形式に匹敵する精度を実現できる。AI処理ではモデルの重みや中間データの読み書きが膨大になるため、データ量を減らせることは、使用するグラフィックスメモリ量の削減、メモリ帯域の効率化、処理速度の向上につながる。もちろん精度とのバランスは用途やモデル側の対応に左右されるが、対応モデルでは大きなメリットを得やすい。
ComfyUIによる動画生成でもその効果を確認できた。解像度1,280×720ドット、5秒の動画生成では、ltx-2.3-22b-dev-fp8が119.08秒だったのに対し、NVFP4対応のltx-2.3-22b-dev-nvfp4では92.19秒まで短縮された。動画生成は処理負荷が非常に高く、AIエージェントが画像生成や動画生成まで扱うワークフローでは待ち時間が課題になりやすい。NVFP4対応は、こうした生成AI処理をローカルでより現実的に使うための重要な武器になる。
動作温度も確認しておこう。Forza Horizon 6を10分間プレイしたときのCPUとGPU温度をシステム監視アプリの「HWiNFO Pro」で測定した。室温は24℃だ。合わせて動作音も前面と上部、背面のそれぞれ10cmの位置に騒音計を設置して測定している。
ゲームプレイ時10分間の平均温度はCPUが66.2℃、GPUが74.9℃、最大でもCPUが74℃、GPUが78.8℃だった。超ハイエンドGPUをミニタワーに搭載していることを考えると、冷却はしっかり機能している。動作音は10cm地点で、前面36.8dB、天面43.2dB、背面41.3dB。高負荷時でもハイエンド構成としては非常に静かと言ってよい。ただ、天面からの熱風は強めなのでPCケースの上方向にはしっかりとスペースを確保して設置したいところだ。
ミニタワーで最上位GPUを使いたい人に刺さる1台
GeForce RTX 5090 Founders Editionの特徴のひとつが、ミニタワーなどの小型の筐体にも搭載が可能なこと。iiyama PC LEVEL-M8AM-LCR98D-XKMXB-Limited Edition [RGB Build]も、同GPUを搭載しながら、ミニタワー筐体にまとめた点が最大の魅力だ。4Kゲーミングでは非常に高いフレームレートを発揮し、マルチフレーム生成を活用すれば高リフレッシュレート環境にも対応しやすい。
加えて、32GBのGDDR7メモリを活かしたローカルAI用途にも強い。大規模LLM、AIエージェント、画像生成、動画生成など、GPUメモリ容量とAI演算性能が効く処理を手元のPCで試したいユーザーにとって、GeForce RTX 5090は頼もしい存在。NVFP4対応によって、対応モデルではメモリ使用量や処理速度の面でも有利になり、今後の生成AI活用を見据えた投資としても魅力的だ。
今回の検証で、GeForce RTX 5090 Founders Editionの魅力は十分に伝わったと思うが、パソコン工房では同GPUを搭載したPCを幅広く取りそろえている。
ラインナップには、ゲーミングPCからクリエイター向けのPC、AI開発利用PC、そして組み立てキットまで豊富な種類が用意されている。性能・デザイン・サイズのどれも妥協できないという人も、自分の用途にあった最適な1台を見つけられるはず。完成された最上位のPCを手に入れたいならぜひチェックしてみよう。
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