ノートPCで長時間作業していると、つい画面をのぞき込むような姿勢になりがちです。画面の位置が低いと首が前に傾き、肩や背中にも負担がかかってしまいます。PCスタンドで画面の位置を少し高くすれば、そんな姿勢を改善する助けになりますが、外出先まで大きなスタンドを持ち歩くのはちょっと面倒。そこで気になったのが、ダイソーの「ノートパソコン用スタンド」です。PCの裏に貼っておいて、使うときだけ脚を起こすタイプで、価格は330円でした。

  • ダイソーの「ノートパソコン用スタンド」。パッケージには「ノートパソコン用折りたたみスタンド 貼り付けタイプ」と書かれています

    ダイソーの「ノートパソコン用スタンド」。パッケージには「ノートパソコン用折りたたみスタンド 貼り付けタイプ」と書かれています

本体はABS樹脂でできた細長いバーで、サイズは約218×27mm、厚さは約5mm。カラーはブラックとグレーの2色です。裏面の粘着シートでノートPCの底面に貼り付け、大小2種類の脚を起こすことで高さを2段階に切り替えられます。

  • 商品名:ノートパソコン用スタンド
  • 販売:ダイソー
  • 価格:330円
  • 本体サイズ:約218×27mm(厚さ約5mm)
  • 材質:ABS樹脂
  • カラー:ブラック、グレー
  • 耐荷重:約2kg(測定値で、保証値ではありません)
  • 高さ調整:2段階
  • 本体はABS樹脂製の細長いバー。大小2種類の脚を起こして、高さを2段階に切り替えます

    本体はABS樹脂製の細長いバー。大小2種類の脚を起こして、高さを2段階に切り替えます

貼る位置を間違えるとグラグラに!

取り付けは、裏面の粘着シートの剥離紙をはがして、ノートPCの底面にペタッと貼るだけ。手順そのものは簡単です。ただし、貼る位置は慎重に決めたほうがよさそうです。

  • 粘着シートは3か所。剥離紙をはがしてノートPCの底面に貼り付けます

    粘着シートは3か所。剥離紙をはがしてノートPCの底面に貼り付けます

今回使用したのは、14インチMacBook Pro(M1 Pro)。最初はヒンジ側の端から約4cm内側に貼り付けたのですが、脚を折りたたんだ状態で机に置くとグラグラしてしまいました。スタンド本体が支点になって、PCの手前側と奥側がシーソーのようになっていたのです。

小さい脚や大きい脚を立てればグラつきません。脚を使っていないときだけ不安定になるんです。そこで、スタンドをヒンジ側の端寄りに貼り直してみました。すると、脚を折りたたんだ状態でもグラつかなくなりました。

  • ヒンジ側の端寄りに貼り直したところ。脚を収納した状態でもグラつかなくなりました

    ヒンジ側の端寄りに貼り直したところ。脚を収納した状態でもグラつかなくなりました

もうひとつ注意したいのが、PC底面の通気口やゴム足との位置関係です。今回のMacBook Proでは、ヒンジ側の端寄りに貼っても通気口をふさがず、ディスプレイの開閉にも支障はありませんでした。ただし、機種によって底面の構造は異なるので、貼り付ける前に確認しておきましょう。

粘着力が強すぎて、貼り直しにひと苦労

実は、スタンドを貼り直すのがひと苦労でした。付属の粘着テープがかなり強力で、そのままではなかなか剥がれないんです。仕方なくドライヤーで温めてから剥がしたのですが、透明でぷにぷにしたテープがビヨーンと伸びてしまい、再利用できない状態に。幸い、PC本体には糊残りや傷はありませんでしたが、結局は別のアクリルテープで貼り付け直すことになりました。なお、ドライヤーでPCを温める方法は故障につながるおそれがあるため、おすすめしません。

貼り直したあとは問題なく固定できていますが、付属のテープとは異なるため、粘着力や耐久性を同じ条件で評価することはできません。やはり、貼る位置は一発勝負と考えて、最初にしっかり決めておくべきでした。

小さい脚が出しにくい

脚の開閉にも、少しクセがあります。大きい脚は指で簡単に起こして、慣れればPCの後方を少し持ち上げ、手探りでサッと開けられます。

一方、小さい脚は指を入れるスペースがなく、爪を使って引きだす必要があります。筆者が購入したものは小さい脚の片方だけが妙に硬く、深爪気味の筆者は爪を引っかけて出すことができません。そのため、毎回カギの先など細くて硬いものを使ってこじ出しています。もう片方は普通に開けられるので、製品による個体差なのかもしれませんが…。

  • 大きい脚(左)は指を引っかけて起こせますが、小さい脚(右)は指が入るすき間がなく、購入した個体では爪でも引き出せないほど硬く、毎回カギの先でこじ出しています

使い始めて約1週間たっても硬さは変わらず、毎回カギを使うのはちょっと面倒。金属製のカギでは傷がつくおそれもあるので、あまりおすすめできません。

ただし、閉じるときは大小どちらの脚も、PCを少し持ち上げて手探りでパタンと収納できます。開けるときだけ小さい脚に苦労するというのは、なんとも惜しいところです。

入力なら小さい脚、画面なら大きい脚

では、実際の使い勝手はどうでしょうか。まず、机からディスプレイ下端までの高さを測ってみました。脚を収納した状態では約1cmですが、小さい脚を起こすと約3cmに。つまり、画面の位置が約2cm高くなります。

傾斜はゆるやかで、キーボード入力はしやすい角度です。ただ、画面の高さはあまり変わらないので、首や肩への負担軽減はそれほど期待できなさそう。画面を高くするというより、キーボードを打ちやすくするための脚と考えるのがよさそうです。

  • 小さい脚を起こしたところ。ディスプレイ下端は机から約3cmの高さになり、キーボードに適度な傾斜がつきます

    小さい脚を起こしたところ。ディスプレイ下端は机から約3cmの高さになり、キーボードに適度な傾斜がつきます

続いて大きい脚に切り替えると、ディスプレイ下端の高さは約6cmになりました。脚を収納した状態より約5cm高くなり、こちらは目線の高さの違いを実感できます。

画面をのぞき込むような前かがみの姿勢もだいぶラクになりました。パッケージには肩や腰への負担軽減もうたわれていますが、少なくとも筆者の場合は、無理に画面をのぞき込まずに済むようになったのがうれしいポイントです。ただし、そのぶんキーボードの傾斜もキツくなり、タイピングはしづらくなります。

  • 大きい脚を起こすと、ディスプレイ下端は机から約6cmの高さに。画面は見やすくなる一方、キーボードの傾斜はキツめです

    大きい脚を起こすと、ディスプレイ下端は机から約6cmの高さに。画面は見やすくなる一方、キーボードの傾斜はキツめです

つまり、入力しやすさを取るなら小さい脚、画面の見やすさを取るなら大きい脚という使い分けになります。両方をちょうどよく満たす中間の角度がないのは惜しいところ。長文を書くときは小さい脚、動画を見たり資料を読んだりするときは大きい脚と、作業に合わせて切り替えるのが現実的です。

なお、ここで紹介した高さは今回のMacBook Proでの実測値です。スタンドの取り付け位置やPCの機種によって変わるので、あくまで参考値と考えてください。

大きい脚では机の上ですべりやすい

もうひとつ気になったのが、すべりやすさです。脚を折りたたんだ状態では、スタンド本体に付いている滑り止めのおかげで安定しています。小さい脚を立てたときも特に気になりません。

ところが、大きい脚を立てると状況が一変。表面がツルツルした木目調の机では、タイピングしようとホームポジションに指を置く際、パームレストに載せた手のひらでPCが前方に押され、スーッと滑ってしまうんです。

  • 大きい脚を立てて妻にタイピングしてもらってもPCが前に押されて滑りました

    大きい脚を立てて妻にタイピングしてもらってもPCが前に押されて滑りました

原因は、キーボードの傾斜です。脚の接地面は大小どちらも樹脂がむき出しで、滑り止めのゴムなどは付いていません。それでも小さい脚ですべらないのは、傾斜がゆるやかで、手のひらがPCを押す力がかかりにくいからでしょう。大きい脚だとキーボードが手前に向かって大きく傾くため、パームレストに載せた手のひらでPCを前へ押し出す形になってしまうんです。脚の先に滑り止めシールを貼れば多少はマシになりそうですが、先端が曲面になっているので、それも難しそうです(実際に貼って試してはいません)。

画面は見やすくなるものの、PCごと滑ってしまうのでは、落ち着いて文字入力するには少々不向きです。ちなみに、大小どちらの脚も、タイピング中に脚そのものがガタつくことはありませんでした。見た目よりしっかり支えてくれるのは好印象です。

持ち歩きは手間いらず

このスタンドの便利なところは、PCに貼り付けたまま持ち歩けること。別にスタンドを持っていく必要がなく、家に置き忘れる心配もありません。脚を閉じれば厚さは約5mmで、バッグの中でもかさばりにくいのが魅力です。

実際に普段使っているPCケースに収納してカフェへ持ち出してみましたが、出し入れはスムーズ。持ち運び中に脚が勝手に開いてしまうこともありませんでした。

ただし、PCの底面に厚みが加わるため、ピッタリサイズのケースを使っている人は、収納できるか事前に確認したほうがよさそうです。

カフェでは文字入力が中心だったため、もっぱら小さい脚を使っていました。画面の高さはあまり変わらないものの、キーボードに適度な傾斜がついて打ちやすいんです。大きい脚は画面を見やすくするには便利ですが、すべりやすいうえにキーボードの傾斜もキツめ。外出先で文章を書くなら、小さい脚のほうが出番は多そうです。

もっとも、小さい脚を使うたびにPCを裏返し、硬いほうの脚をこじ出さなければならないのは面倒。持ち歩く手間は省けても、使い始めるまでが少々厄介なのは惜しいところです。

耐久性は未知数、でも330円は魅力

本体はABS樹脂製で、金属製スタンドのような剛性感はありません。特に細い脚の付け根は、強い力を加えると折れてしまわないか少し心配です。

今回使用した約1.6kgのMacBook Proでは、今のところ問題なく使えています。耐荷重は約2kgですが、これは測定値であって保証値ではないと明記されています。重量のあるノートPCで使う場合は、注意が必要でしょう。

使い始めてまだ約1週間なので、脚の強度や粘着力が長期間維持されるかは未知数です。特に今回は途中で粘着テープを交換しているため、付属テープの長期的な耐久性については判断できません。

見た目は正直チープですが、底面に貼るものなので、作業中に目に入ることはほとんどありません。ここは330円と割り切れる範囲でした。

2段階の高さ調整ができて、PCと一緒に持ち歩けるスタンドが330円というのは、やっぱり魅力的。ただし、PC本体に直接貼り付けるものなので、安さだけで飛びつくのは避けたいところです。

まとめ:便利だけど、貼る位置とすべりやすさに注意

ダイソーの「ノートパソコン用スタンド」は、PCに貼り付けたまま持ち歩ける手軽さが魅力です。大きい脚を立てれば画面が約5cm高くなり、のぞき込むような姿勢がだいぶラクになりました。

一方で、気になるところも少なくありません。貼り付け位置によっては脚を収納した状態でグラつき、付属テープは強力すぎて一度剥がすと再利用できません。筆者が購入したものは小さい脚の片方が出しにくく、大きい脚ではキーボードの傾斜がキツいぶん、手のひらで押されてPCが滑ってしまいました。

結局、カフェで文字入力するときに活躍したのは小さい脚でした。貼る位置はヒンジ側の端寄りにして、文字入力は小さい脚、画面を見る作業は大きい脚と割り切って使えるなら、330円で試してみる価値アリだと思いますよ!