ヨルゴス・ランティモス監督、エマ・ストーン主演『ブゴニア』の原作である韓国映画『地球を守れ!』が、4Kレストア版として2026年10月30日よりヒューマントラストシネマ有楽町、テアトル梅田ほかにて全国順次公開されることが決定した(配給:JAIHO)。2003年に韓国で公開された本作は、今回が日本初の一般劇場公開となる。この発表にあわせて、キービジュアルと予告編が公開となった。
『地球を守れ!』は、地球を救うために、宇宙人と信じ込んだ男を誘拐する青年の姿を、ブラックな笑いと激しい暴力、胸を突く悲しみを交えて描き出す、ヨルゴス・ランティモス監督『ブゴニア』の元となった作品。本作は、のちに『ファイ 悪魔に育てられた少年』(2013)『1987、ある闘いの真実』(2017)を手がけるチャン・ジュナン監督の長編デビューである。『パラサイト 半地下の家族』(2019)を手がけ、韓国を代表する撮影監督ホン・ギョンピョが捉えた、暗がりに浮かぶ人物の表情や、奇妙な装置がひしめく地下室の不穏な空間も見どころだ。
地球は宇宙人に侵略されようとしている。その危機を防げるのは自分だけだと信じる青年ビョングは、恋人スニとともに、化学会社の社長カンを誘拐する。彼こそが人間に姿を変えた宇宙人だと確信し、地下室に監禁して、その正体を暴こうとするビョング。一方、カンはあらゆる手を使って脱出を図る。地球を救うという使命感に突き動かされたビョングの尋問は、やがて予測不能の攻防へと発展していく。
ビョングを演じるのは、『復讐者に憐れみを』(2002)のシン・ハギュン。宇宙人の存在を語る確信に満ちた口調と、怒りや不安が露わになる表情によって、奇妙な装備に身を包んだ青年に切実さを与えている。
本作は、第4回東京フィルメックスのコンペティション部門で上映されたが、劇場公開はされず、当時権利を保有していたエスピーオーから、ビデオスルーという形でリリースされた。一部のシネフィルとマニア以外は知らない作品で、長らく幻の作品とされていた。
今回公開となったキービジュアルでは、椅子に拘束されたカン(ペク・ユンシク)を中央に、ライト付きのヘルメットと黒い装束を身に着けたビョングとスニ(ファン・ジョンミン)が並んでいる。笑顔を見せるビョングと、無表情の二人。その背後には奇妙な器具が広がり、記念写真のような構図と監禁の光景が、可笑しさと不穏さを同時に表現している。紫がかった背景に鮮やかな緑のタイトルが浮かび、「ヨルゴス・ランティモス監督の『ブゴニア』としてリメイクされた伝説的カルト・ムービーが4Kレストアで蘇る!」のコピーが、今回の公開への期待を高める。
あわせて公開された予告編では、「地球を守れるのは俺たちしかいない」と語るビョングの姿から奇想天外な世界が広がっていく。カンを宇宙人と断定し、「お前の故郷は アンドロメダ星だろ」と迫るビョング。宇宙人の急所を記したノートや、尋問に持ち出される“塗る湿布”など、奇抜な発想が次々に飛び出す一方、血にまみれた手や激しいアクション、爆発のイメージが重なっていく。誘拐事件が地球規模の危機へと繋がる、先の読めない物語と、4Kレストアで蘇る鮮烈な映像世界を垣間見せる仕上がりとなっている。
なお、本上映を記念してキネカ大森にて『ブゴニア』の再上映も決定している。
■ストーリー
ろくでもない宇宙人を捕まえた……。地球が異星人によって滅ぼされると信じる青年ビョングは、恋人スニとともに製薬会社ユジェ化学の社長カンを誘拐する。カンこそがアンドロメダPK45星からやって来た異星人だと確信するビョングは、地球を救うため、自ら開発した拷問器具を使ってカンに過酷な尋問を行う。一方、事件を追う刑事キムは、犯人がビョングであることを突き止め、単身で彼らのアジトへ向かう。監禁されたカンを発見し救出を試みるものの、ビョングとスニに見つかり、逆に拘束されてしまう。しかし、その時、カンの口から発せられた一言が、すべての常識を覆す――。
■出演者
ビョング:シン・ハギュン
カン:ペク・ユンシク
スニ:ファン・ジョンミン
イ隊長:キ・ジュボン
■スタッフ
監督・脚本:チャン・ジュナン






