iPhone同士で写真やビデオを転送するときに便利な「AirDrop」は、BluetoothとWi-Fiという2つのワイヤレス技術の連携で成り立つ技術です。Bluetoothで近くに相手がいるかどうか調査し、実際のデータ転送はWi-Fiに引き継いで実行します。
AirDropで使用するBluetoothは「Bluetooth LE」です。ワイヤレスイヤホンの接続に使用するBluetooth(Bluetoothクラシック)とは仕様が異なり、ごくわずかな電力で動作するため、付近のBluetooth LE対応デバイスを発見するために常時稼働させておいてもさほど負担になりません。AirDropでは、このBluetooth LEを使いAirDrop対応デバイスを探しているのです。
そうして相手先が発見/認証されると、通信はWi-Fiに引き継がれます。Bluetooth LEに比べWi-Fiは圧倒的に高速なうえ、Wi-Fiルータを経由せず直接通信(ピア・ツー・ピア接続)を行うため、数百メガもあるような動画でもスピーディーに転送できてしまいます。
つまり、AirDropにおいてBluetooth LEは「発見と認証役」、Wi-Fiは「転送役」で役割分担されており、どちらも欠かすことができません。BluetoothとWi-Fiのどちらかが無効なときAirDropを使おうとすると、有効にするよう促されるのはそれが理由です。
さらに、U1/U2チップを搭載したiPhone 11以降のモデルでは、超広帯域無線技術「UWB」も使用されます。その場合、転送相手の方向を検出して優先的に表示/選択が可能になります。Bluetooth LEの補助役という位置付けですが、近いデバイスから転送先候補の上位に表示されるようになるため、AirDropの利便性向上に貢献しています。
