フランス・パリのParis Nord Villepinte見本市会場にて「Japan Expo Paris 2026」(7月9日~12日)が開催されました。Japan Expoは今回で25回目を数え、日本文化をフランスはもとより欧州に広める欧州最大級のイベントとなっています。
対象となる日本文化はすべてと言ってよく、現在の日本を象徴とするアニメや漫画、ゲームなどのポップカルチャーを始め、伝統工芸や伝統芸能、芸術、武道などあらゆるものが展示されています。
多くの日本文化はすでにフランスに浸透していて、何なら柔道は日本以上に世界に影響力があるとさえいえます。漫画やアニメもその多くがフランス版にローカライズされ、多くの人に親しまれています。今回、Japan Expoに取材する機会を得たので、実際にどのような日本文化が紹介されているのかをレポートしていきます。
大きな鳥居とターボババアがお出迎え、MIXIは世界展開を見据え初出展
会場はパリの中心地から地下鉄で40~50分移動したところで、国際空港のシャルル・ド・ゴール空港へは車で10分程度の場所にある見本市会場で行われています。印象としては幕張メッセのようなものでしょうか。会場自体の敷地面積は広大で、その中から3つのホールを使用して開催されていました。
ホールに入る前のホワイエにはバルーンで作られた鳥居があり、来場者を出迎えてくれます。Japan Expoのロゴの上にカタカナで「ジャパンエキスポ」と書かれているのが象徴的です。
ざっと見回ってみた印象としては東京ゲームショウのような企業系ブースとコミケのような個人ブース、販売を目的としたショップ系ブース、あとはステージ、フードコートと言う感じです。
まずは企業系のブースを見ていきます。
バンダイナムコグループや集英社、アニメイトなど、漫画、アニメ系のグッズや本を取り扱うブースを大きく展開。また、ゲーム系では任天堂やCygames、MIXIなどが出展。任天堂はJapan Expo最大級のエリアでブースを展開し、Nintendo Switch 2の新作タイトルの試遊を行っていました。Cygamesも『グランブルファンタジー』を始め、『ウマ娘 プリティーダービー』や『Shadowverse: Worlds Beyond』などをアピールしています。
MIXIは今回のJapan Expoが初出展で、今年2月にインドで『モンスターストライク』の海外版『ストライクワールド』をリリースし、世界進出を果たしています。すでに世界で配信しているアニメ「リンカイ!」や、北米や欧州で展開している写真共有アプリの「Family Album(和名:みてね)」と同様に、ゲームも世界市場を目指します。
会場でMIXI 代表取締役社長 上級執行役員CEO 木村弘毅氏に聞いたところによると、「OTT(Over The Top、配信サービス)」の発達により、日本のアニメが海外でリーチするようになり、アニメと頻繁にコラボレーションしている『モンスターストライク』も相互的に海外にアピールできるとのこと。2030年には海外の売上げがMIXIの総売上げの半分を超えることを目指していくとも語っていました。その為にJapan Expoでフランス、欧州のアニメファン、ゲームファンに訴求するのは必然と言えるでしょう。
フランスで日本の漫画を出版している出版社やそれを販売している書店もブースを展開。書店はそのまま購入できる出張販売所のようになっていました。そこには日本の漫画がフランス語や英語にローカライズされた単行本が並べられており、その数の多さは驚きの一言。
数十年前のタイトルから最新のタイトルまで揃っており、もはや海外製の本が売っていると言うよりは、当たり前に日本の漫画がフランスで売られていると言う状況。漫画のタイトルは海外でわかりやすくローカライズされたものや、原題をそのままローマ字化したものもありました。
日本の武道や文化、「UN.DO.KAI(運動会)」まで! フードはおにぎりの屋台が多数
日本の名産品や工芸品を販売しているブースもありました。酒蔵などの店舗や企業が出展しているほか、地方自治体や街などからの出展も散見されました。個人で出展しているところも。日本酒の海外進出が良く聞かれますが、中国、アメリカなどが中心でフランスや欧州での浸透を目指しているわけです。
武道の体験やデモンストレーションを行うコーナーもありました。剣道、薙刀、合気道、柔道などがあり、師範と思われる人たちの多くが海外の方で、おそらく日本からJapan Expoに来たのではなく、フランスで道場を構えている人たちが参加している感じでした。柔道はフランスで浸透していることは、多くの方が知っていると思われますが、他の武道もある程度は浸透しているようです。
武道と同様にトラディショナルな日本文化として、書道、百人一首、花札、将棋、折り紙を体験できるコーナーも。ポップカルチャーだけでなく、日本全体の文化を取り入れているところが、Japan Expoの懐の深さと言えます。
s他にも「SHIATSU(指圧)」や「UN.DO.KAI(運動会)」などのコーナーも。その場でTattooを入れて貰えるブースもありました。さすがに和彫りではなく、Tattooという感じでしたが、カジュアルにTattooを入れる風潮は海外ならではと言ったところです。
豪華ゲストに沸く会場、大規模なのにコミュニティとして機能する稀有な場だった
会場にはホール毎にいくつかのステージが用意されており、いずれかで何かしらのステージイベントが行われていました。
音楽ライブからダンスパフォーマンス、ライブドローイング、カンファレンスなど様々。日本からもアーティストのゴールデンボンバーの鬼龍院翔さんやX JAPANのYOSHIKIさん、ゲームクリエイターのサイバーコネクトツーの松山洋氏、アニメーターの清水洋氏、漫画家の麻宮騎亜氏など錚々たる面々が来場。現地ファンが歓喜に沸いていました。
Japan Expoは日本のアニメフェスやゲームショウのようなイベントのイメージが強かったですが、実際はトラディショナルな日本文化から幅広く取り扱われており、日本人でも触れてこなかった文化さえ、触れられる機会となっていました。
また、これだけ大きなイベントながらコミュニティベースとなっている点も驚きです。この辺りはコミケの文化を取り入れているのかも知れません。今後も日本を知る機会としてJapan Expoに期待したいところです。そして、日本でもフランスのみならず世界の文化が触れられる機会が多く訪れるようになることを願っています。
































