京都でゲーム開発を手がけるポノス(PONOS)の人気ゲームアプリ『にゃんこ大戦争』、Nintendo Switch版の投入やさまざまなIPとのコラボ、コミック化など、広くクロスメディア展開を手がけており、幅広い層に親しまれています。
実は、間もなくリリース開始から14年を迎えるなか、今なお毎月約100万の新規ダウンロードを続け、2026年には全世界で1億1,111万ダウンロードを突破。現在、世界166の国と地域で配信されているお化けアプリなのです。
開発担当者は「App Storeというプラットフォームがあったからこそ、自分たちのゲームをユーザーに見つけてもらうきっかけがもらえ、日本だけでなく世界中に届けることができた」と語ります。にゃんこ大戦争が世界中で愛されるようになった背景を取材しました。
積極的な海外展開を進め、1億を超えるユーザーを獲得
にゃんこ大戦争の開発責任者を務める若林篤氏は「にゃんこ大戦争は2026年11月に14周年を迎えますが、14年前は1億ダウンロードを超える日が来るなんて1ミリも想像していなかったので、社員全員が驚いています(笑)」と偉大な数字を振り返ります。
にゃんこ大戦争のプロモーションを担当する野澤勇太氏は「App Storeがなければ、僕らが作ったゲームをここまで世界に広げられなかったのではないかと思います。もう13年以上前になりますが、当時世界に届ける決断をしてよかったなぁと感じますね」と振り返ります。
にゃんこ大戦争は、もともとiモードなどのフィーチャーフォン(ガラケー)用アプリとして生まれました。ほどなくしてスマホが急速に普及し始め、スマホ版のゲームタイトルをいくつか投入するなか、アプリストアとしてのApp Storeに大きな可能性を感じていたそうです。
そんななか、にゃんこ大戦争のスマホ版の開発がスタート。2012年末にApp StoreでiPhone版をリリースしたところ、シンプルな操作性や個性的なキャラクターが受けてリリース直後からヒットを記録。「当時はまだユーザーになじみの薄かった『タップ』や『フリック』という操作を、いかに『心地よい』ゲーム体験へと昇華させるか。そのUI/UXの手触り感には徹底的にこだわって開発しました」(若林氏)
にゃんこ大戦争以前のタイトルからすでに英語版に対応していたこともあり、にゃんこ大戦争も当初から海外展開を意識していたそう。2014年~2015年にかけて英語版、韓国語版、繁体字中国語版をリリースしたことで、グローバル展開が急速に進行しました。
ただ、やはり現地のユーザーが使っている主要な言語もカバーした方が、より多くの人に楽しんでもらえるだろうと判断。2021年にはフランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語に、2023年にはタイ語にも対応しました。この取り組みが功を奏し、前述の通り世界166の国と地域で配信し、2026年3月には全世界累計ダウンロード数が1億1,111万を突破するほどになったのです。
Appleの担当者の存在が心強い
このように世界中で大ヒットとなったにゃんこ大戦争ですが、Appleの担当者とのやり取りやApp Storeの存在がなければ、これほどの成功を収めることはできなかっただろう、と野澤氏は振り返ります。
「にゃんこ大戦争より前は、100円で買い切りのアクションゲームなどを出していたんですが、やはりマネタイズの面では難しかったんです。そこで、アプリ内課金に力を入れていこうとなったところで、Appleの担当者と継続的にやり取りをさせてもらったのが大きかったと思っています。課金面以外でも、App StoreのTodayタブでフィーチャーの提案をしていただいたことが、多くのユーザーに見つけてもらうきっかけとなりました。やはり、どんなよいゲームでも、露出がなければ知ってもらえませんから。現在も、にゃんこ大戦争の世界を一緒に広げていこうとコミュニケーションを続けてもらっており、いろいろ相談しやすいですし、Apple側から提案をいただくこともあります。とても心強いと感じています」
Appleの担当者とのつながりがきっかけでWWDCへ参加でき、Apple本社の技術者や海外のデベロッパーとの会話でグローバル展開やマネタイズのヒントが得られたのも、Appleのプラットフォームでビジネスをするメリットの1つだといいます。
個人開発者もApp Storeで世界に挑戦してほしい
そんなにゃんこ大戦争ですが、14年間運営を続けるうえで一番大切にしてきたことは、長く愛されて遊んでもらえることと、課金しなくても最後まで遊べることだといいます。
「継続して遊んでもらうため、アップデートを続けて新しいコンテンツを追加しています。その結果、コンテンツのボリュームが大きいタイトルとなりましたが、基本的には最後まで無課金でも遊べる設計にしています。もちろん、課金によって時間を短縮できますが、“課金しなければ遊べない”ゲームにはしたくありませんでした。その考えは、今でも変わっていません」(若林氏)
最後に、グローバル展開を目指すデベロッパーや個人のアプリ開発者に対して激励のメッセージを送ってもらいました。「App Storeは、デベロッパーの規模にかかわらず世界に向けて挑戦できるプラットフォーム。にゃんこ大戦争は広く世界で愛されるゲームになりましたが、決して自分たちの力だけでは達成できなかったと思います。小さなデベロッパーや個人の開発者の方にも、ぜひ世界に挑戦してほしいですね。ポノスでは、若手クリエイターの挑戦を応援していますので、そうしたチャレンジがもっと増えていけばうれしいです」(野澤氏)






