6月25日、突如としてMacやiPad、Apple TVといったApple製デバイスの価格が2、3割引き上げられました。全世界が対象で、日本だけのことではありません。理由についてAppleの公式コメントはありませんが、AI/データセンター需要の急拡大に伴うメモリ価格の高騰が原因と考えられます。

ここでいうメモリとは、主としてRAM(ランダムアクセスメモリー)を指します。スマートフォンやパソコンにとって、RAMの容量は大きいほど、読み書きスピードは速いほど都合がよく、さまざまな処理に影響してきます。歴代iPhoneがモデルチェンジのつどRAMの容量増大と最新仕様へとシフトした背景にも、同じ理由があります。

パソコンでは、複数のアプリを起動するなどしてRAMが不足してくると、ストレージ上に確保したバッキングストア/スワップ領域へRAMの内容を移動しますが(ページング)、iPhoneではCPUパワーでRAMの内容を圧縮し隙間を作ります。それでもRAM容量が足りない場合には、バックグラウンドにある(待機中の)アプリを強制的に終了させ、前面で動作しているアプリのための隙間を用意します。そのようにして、ユーザの快適性を維持しているのです。

もしRAM容量が減れば、バックグラウンドのアプリが強制終了される回数は増え、そのぶんアプリを起動し直す回数も増えます。ゲームアプリでいえばタイトル画面に戻る回数が増えるため、ユーザにストレスを感じさせることになります。反対にメモリ容量が増えれば、アプリを切り替えたときに起動し直す回数が減り、操作の軽快感は増します。

グラフィックを多用するゲームアプリやApple Intelligenceのように、膨大なデータをRAM上に展開する機能/サービスが増えている現在、メモリ/RAM容量はますます重要となっています。容量を減らすことは考えにくく、メモリ価格高騰に私たちエンドユーザも付き合うしかなさそうです。

  • iPhoneのメモリは、SoCと重なるようにパッケージングされています

    iPhoneのメモリは、SoCと重なるようにパッケージングされています