米AMDでコンピューティング&グラフィックス・ビジネス・グループ シニア・バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーを務めるJack Huynh氏が、今後のアーキテクチャ開発戦略として、グラフィックス向けとコンピューティング向けを統合した「AMD UDNA」アーキテクチャを構想していると明らかにした。Tom's Hardwareが実施したインタビューの中で明らかにされている。
ベルリンで開催中のIFA 2024にあわせて、Radeon部門幹部によって明らかにされた内容。現在Radeonはグラフィックス製品向けに「RDNA」アーキテクチャを展開しており、現行Radeon RX 7000シリーズにはRDNA 3、Ryzen AI 300にはRDNA 3.5が採用済み。一方サーバー等へのコンピューティングプラットフォーム向けには「CDNA」アーキテクチャが展開されており、現行製品のInstinct MI300シリーズ等にはCDNA 3が採用されている。この用途別に分かれているアーキテクチャをまとめた、「UDNA」アーキテクチャを構想しているという。
このUDNAアーキテクチャには、NVIDIA CUDAの統合された開発・実行環境や、RDNAシリーズにおけるメモリ階層設計の失敗が念頭にあるようだ。昨今消費者向け製品への導入が進む推論専用コアについてもRadeon RX 7000シリーズからようやく統合されたばかりで、WMMA命令(行列の積和演算)を用いないと大きな高速化が得られない。様々なアーキテクチャをサポートして業界標準を目指しているUXLにも参画しておらず、ROCmに注力し続けている。
ちなみに、AMDがRDNAアーキテクチャに移行する前のGCNアーキテクチャではグラフィックス向けとサーバー向けでアーキテクチャが共通していた。NVIDIAもAda Lovelace(RTX 40)とHopper(H20など)で分離していたアーキテクチャをBlackwellで統合している。