Twitterで、報道機関・出版社が1つの記事ごとに読者に課金できるようになる。TwitterのCEOであるイーロン・マスク氏が4月30日に自身のTwitterで明らかにした。

マスク氏は「来月(5月)に展開するプラットフォームでは、メディアパブリッシャーがワンクリックで、記事単位でユーザーに課金できるようになる」と述べた。

雑誌や新聞のオンライン版のビジネスモデルでは、月単位などの定額課金(サブスクリプション)が増加しており、Twitterで見つけた記事を読むために、サブスクリプション加入、または数本の記事を読める会員登録が必要である場合がある。メディアにとってTwitterは記事を宣伝し、サブスクリプションへ誘導する手段になっているが、記事を見つけてもサブスクリプションや会員登録などの壁から、利用者が記事を読まずにあきらめることも多い。

記事単位で購入できるマイクロペイメントの仕組みによって、Twitterユーザーは読みたい記事だけを簡単に購入して読むことができ、報道機関・出版社は特定の記事に関心を持った人に記事を提供できる。また、価格をサブスクリプションより高めに設定することも可能であり、「メディア組織とユーザーの双方に有益な仕組み」とマスク氏はアピールしている。

報道機関・出版社との収益分配や参加条件、利用条件など詳細は不明。過去に記事単位の課金が成功した例は少なく、またマスク氏がCEOに就任してからの大規模な人員削減、大胆な方針・機能の変更によってTwitterの信頼が揺らいでいることもあり、提供表明後の米国の報道では懐疑的な見方が目立つ。