半導体市場調査会社である米IC Insightsと米Semiconductor Intelligenceがそれぞれ独自調査による2021年第2四半期の半導体企業売上高ランニングを発表したが、それらによると、Samsung ElectronicsがIntelを抜いて首位に返り咲いたという。

IC Insightsが発表した第2四半期における売上高ランキング上位10社中、米国籍6社、韓国籍2社、台湾籍2社となっており、IDM5社、ファブレス4社、ファウンドリ1社という構成となっている。キオクシアをはじめとする日本勢は圏外となっており、トップ10にランクインするためには、四半期ベースで43億ドル以上の売上高が必要となっている。

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    IC Insightsによる2021年第2四半期(4~6月期)の半導体企業売上高ランキングトップ10 (出所:IC Insights、2021年8月)

長きにわたってトップに君臨していたIntelを、メモリバブルを背景にSamsungが抜き去ったのが2017年第2四半期。メモリバブルが続いた2018年第3四半期までトップに居たが、メモリバブル終息後、Intelに再びトップの座を明け渡していたが、今回もメモリの好況を背景にIntelをに抜き、トップに返り咲くことになった模様である。

IC Insightsによると、Samsungの半導体売上高は2021年第3四半期にさらに前四半期比10%増の223億ドルになる見通しで、2018年第3四半期に記録した221億ドルという過去最高額を超えることが期待されるとする一方で、Intelの売上高は減少見込みとしており、SamsungとIntelの差が2021年下期にかけて広がっていくものと考えられるという。

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    IntelとSamsungの四半期売上高の比較 (出所:IC Insights)

日本勢トップはキオクシア

また、同第2四半期で(前四半期比で)順位を上げたのは、Samsungのほか、NVIDIA(8位→7位)、MediaTek(10位→9位)の計3社で、NVIDIAは同14%増、MediaTekも同17%増を記録したが、日本勢はというと、Semiconductor Intelligenceのファウンドリを含めない同四半期ランキングによると、キオクシアが13位に記載されている。同社は、売上高が同12%増と2桁成長を果たしたが、ほかのメモリサプライヤ(Samsung、SK Hynix、Micron)がDRAMの需要増の恩恵を受けて同20%前後の成長率を達成したことなどもあり、NAND専業ということでそこまで伸ばせなかったことが響いた模様である。

なお、Broadcomの売上高の1/3は、インフラストラクチャ用ソフトウェアによるものなのだが、IC Insightsの集計は、これを除いた値になっているのに対し、Semiconductor Intelligenceではこれを含めた値となっているため、それぞれのランキングで同社の売上高および順位に違いがみられる。

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    Semiconductor Intelligenceによる2021年第2四半期半導体企業売上高ランキングトップ14