NECは7月31日、2022年度第1四半期決算(4-6月)を発表した。売上収益は前年度比10.9%増の6519億円となった。国内市況の回復に伴うオペレーションの改善(全セグメントで増収)や不動産売却益が業績に寄与した。調整後営業利益は、58億円の赤字だった昨年度比で163億円の改善となり、105億円の黒字となった。

  • NEC、第1四半期のセグメント別売上・利益実績(3カ年推移)

2021年度の年間業績予想は据え置かれた。売上収益3兆円、調整後営業利益は1550億円の見通しだ。

セグメント別の業績について、「社会公共」では医療向けや公共向けが増収となり、「社会基盤」はNEC本体の大学向けのHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)案件が寄与して堅調となった。「エンタープライズ」は流通業向けが回復傾向にあり、金融業向けが堅調な一方、製造業向けは2020年度水準にとどまった。「ネットワークサービス」は5G基地局の拡大により増収となった。

他方で、「グローバル」は2020年に買収したスイスの大手金融ソフトウェア企業、Avaloq社の連結寄与もあり、DG/DF(デジタルガバメント/デジタルファイナンス)領域を中心に、サービスプロバイダー・ソリューション、海洋、ワイヤレス、全ての事業で増収となった。

「2025中期経営計画」で成長事業として掲げるグローバル5G事業は、2022年度と2023年度の2年間で、海外でのOpen RANベンダーのリーディング・ポジション獲得に向けて取り組みを強化する方針だ。NEC 代表取締役 執行役員社長 兼 CEOの森田隆之氏は、5Gのグローバルでの受注動向について、「米国、欧州、アジア中東を含め、複数の新規案件を進めている」と明かした。

  • NEC 代表取締役 執行役員社長 兼 CEOの森田 隆之氏

同社は英のOpen RANプロジェクトの参画に続き、ボーダフォンの英国での商用プロジェクトの5G基地局のパートナーに選定されている。この他、ドイツテレコム向けにOpen RANプロジェクトの実現に向けて5G基地局を提供することが決定している。森田氏は、ドイツのプロジェクトについて、「中小の都市を対象とした商用を前提とした実証案件。実証を得て、問題ないと判断できれば、エリア規模拡大と他国展開が進み、スムーズにいけば2023年に本格展開になるのではないか」と語った。

また、コアDX事業では、AmazonやMicrosoftなどの外資の大手ITベンダーとの協業を加速させるという。2020年11月には、Amazon Web Servicesと日本初のコーポレートレベルの戦略的協業の契約を締結。2021年7月には、Microsoftとのグローバルな戦略的パートナーシップを強化する契約を締結した。

DG/DF事業も事業拡大に向けた取り組みを続ける。新たにヘルスケア事業強化のため病院向けDXソフト会社のVantage Helath社を買収した。買収したKMD社ではデンマーク税務省向けの大型案件を獲得し、NECオーストラリアでも同国連邦政府の税務省向けITサービス案件を獲得している。