スマホアプリ分析サービス「App Ape(アップ・エイプ)」を手掛けるフラーと立教大学は7月12日、スマートフォン(スマホ)アプリ同士の関連性を可視化する共同研究結果の一部を発表した。今回の研究では、フラーが提供するスマホアプリの起動ログデータに対してPOS分析などで使われるアソシエーション分析を適用。アプリ間の関係性や、性別年代別の利用動向の違いや特徴を明らかにした。

スマホの急速な普及浸透により、現在、個人のインターネット利用機器においてはスマホがパソコンを上回っている状況にある(参考「令和2年通信利用動向調査の結果」)。

フラーと立教大学大学院社会学研究科の木村忠正研究室は、スマホの実利用データである「モバイルライフログ」を分析することで、人々のインターネット利用の実態の把握、加えて生活行動やライフスタイル、嗜好性などを把握・可視化することができると注目し、2017年から共同研究を行ってきた。

同研究の分析により、性別年代別に特徴のある動きをデータから捉えることができたという。例えば、40代女性のスマホユーザーは「マクドナルド」や「すかいらーく」、「ニトリ」などのショッピング・ポイントアプリからメールアプリやWebブラウザアプリへの遷移が多い。また、30代は大手ECアプリのグループアプリ(銀行、クレジットカード、ポイント管理)を併用するなど、ブランド経済圏でのまとまったアプリ利用が顕著に見られた。

  • 分析による40代女性における計算結果のイメージ

今後、フラーと立教大学は、さらに精緻な分析手法の検討やアンケート調査などを組み合わせたより詳細な分析を進め、「モバイルライフログ」を社会に役立てるための共同研究を進めていく。

なお、具体的な分析手法や分析結果など学術研究の視点から見た成果は、6月に開催された第35回人工知能学会において発表された。