キリンホールディングスと、キリンビール、キリンビバレッジ、NTTデータの4社は11月24日、キリンビール滋賀工場、キリンビバレッジ滋賀工場において、1秒あたり約5万点におよぶ商品の製造に関わる生産データを蓄積・分析するIoT基盤を共同で開発し、11月より試験運用を開始したと発表した。

キリングループでは以前より、NTTデータと協働して、AIを活用したろ過計画業務やRPA(Robotic Process Automation)による業務の自動化、多様化する消費者のニーズに合ったマーケティングを実施するための、デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム(DXP)などによるデジタル改革を実施している。

今回導入したIoT基盤は、工場内のさまざまな生産データ、センシングデータ、映像などのデータを統合して扱うことができ、製造現場におけるデータ収集、データ連携・蓄積、データ加工・分析、可視化を実現するという。なお同基盤には、蓄積されたデータ分析・予測できる機能などを持った、企業間・拠点間の情報活用基盤「iQuattro」(NTTデータ開発)を使用している。

  • 同基盤 システムイメージ

試験導入の様子 分析データを活用

キリンビール滋賀工場、キリンビバレッジ滋賀工場では、同基盤の導入にあわせて一部手書きで運用していた現場の管理書類を、タブレットを利用してその場でデータ入力し、電子保存するように作業工程の見直しも行っている。

同基盤の試験導入により、それぞれの生産設備ごとに確認していた製造状況を工場内外からリアルタイムで統合的に確認できるようになり、工場内の移動時間削減や、「改善実行」などの意思決定をリモートで実施できるようになるとしている。

試験運用の後、IoT基盤のさらなる活用に向けて、各工場における製造体制の自動化推進に向けて必要な判断の数値化、作業時間の短縮、品質向上に向けたデータ活用などを進め、キリンビール、キリンビバレッジ全工場への本格展開を目指す方針だ。