ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia 5 II」が、10月中旬にauとソフトバンクから発売されることになりました。
Xperia 5 IIは、5G対応のハイエンドモデル「Xperia 1 II」のコンパクト版で、2019年に発売され、先日SIMフリーモデルもリリースされた「Xperia 5」の後継モデル。ドコモからは10月8日現在まだ発表がありませんが、筆者は「Xperia 5」同様、時期をずらしてSIMフリーモデルもあるのでは……と見ています。
現在、auとソフトバンクでは10月17日の発売が発表されています。「Xperia 5 II」を待つべき5つの理由をまとめました。
理由1:「Xperia 1 II」とほぼ同じZEISSレンズ採用カメラ
「Xperia 5 II」の特徴のひとつは、「もはやデジカメ」との高い評価を得ている「Xperia 1 II」と、ほぼ同じカメラが搭載されていること。
35mm換算で16、24、70mm相当に該当するトリプルカメラには「ZEISSレンズ」が採用されているほか、画素のピッチが大きく読み出し速度の速いデュアルPDセンサーによる、高速オートフォーカスや被写体追従も実現。ソニーの一眼レフカメラαシリーズの機能とUIを踏襲したカメラアプリ「Photography Pro」も標準搭載されていて、20コマ/秒の超高速連写、動物にも対応したリアルタイム瞳AF、さらにRAW撮影も可能。専用のシャッターボタンも用意されています。
「Xperia 1 II」カメラとの唯一の違いは3D iToFセンサーがないこと。これによって暗所でのオートフォーカスの速度などに多少差が出る可能性はありますが、それ以外はハード的にもソフト的にもほぼ同じカメラになっています。デュアルPDセンサーとAI技術を用いた主要被写体認識、顔認識なども同じで、ポートレート撮影時の背景ぼけもしっかりカバーされています。
このほか動画撮影用には、ソニーのプロ用ビデオカメラの機能とUIを踏襲したアプリ「Cinematography Pro」も搭載。「Xperia 1 II」も未対応だった4K HDR 120コマ/秒のスローモーション撮影に、世界で初めて対応することもウリのひとつになっています。
この撮影機能にどれだけのニーズがあるのかはわかりませんが、「Xperia 1 II」になかった機能が搭載されている点に、「単なるコンパクト版じゃない」という開発チームの思いが感じられます。
理由2:ゲームに最適化されたヌルサクなディスプレイ
「Xperia 5 II」独自のこだわりは、21:9とシネマサイズのワイド有機ELディスプレイにもみられます。「Xperia 1 II」の6.5インチ/4Kに対して、「Xperia 5 II」は6.1インチ/フルHD+と高精細さでは及びませんが、一方でリフレッシュレートは「Xperia 1 II」の60Hzに対し、「Xperia 5 II」は120Hzに対応。一般にディスプレイはリフレッシュレート(書き換え頻度)が高いほど残像が少なくなり、よりくっきり滑らかに見えます。
「Xperia 5 II」は加えて、間に黒を挿入することで240MHz相当の描画を実現する残像低減技術にも対応。タッチ操作時の感度を左右するタッチサンプリングレートも240Hzに対応しています。またチップセットにはSnapdragon 865 5Gを搭載。その性能を最大限引き出せるように、グラファイトシートを用いて熱を分散する工夫もされています。
最近はスマホで本格的な対戦ゲームをプレイするユーザーに向けて、ディスプレイの描画性能やタッチ操作の反応速度、高速チップセットの熱対策などにこだわった「ゲーミングスマホ」が人気を集めています。
「Xperia 5 II」は「ゲーミングスマホ」とは銘打たれていませんが、スポンサードするeスポーツチームからのフィードバックを反映するなど、ゲームユーザーをかなり意識した製品になっています。
すでにアクティビジョンの人気ゲーム「Call of Duty: Mobile」が、120Hz対応の「Xperia 5 II」にあわせて、マルチプレイヤーモードを120fpsに対応させることも発表済みなど、プロモーションも含めて「Xperia」がいよいよ本腰を入れてきたといった印象。
今や多くのスマホメーカーがeSportsに積極的ですが、もともとゲームには強いソニーだけに、ここから一気に巻き返す可能性もあると期待しています。
理由3:左右対象スピーカー搭載。迫力が増したサウンド性能
ディスプレイとあわせて、ゲームで重要なサウンドも大きく強化されています。前モデル「Xperia 5」では左右非対称だったスピーカーが、左右対称かつ正面向けて配置されていて、聞き比べるとより音の迫力や広がりが感じられます。
Dolby Atmos対応に加えて、ソニー・ミュージックエンターテイメントと協業による独自のチューニングも施されているとのこと。ハイレゾ音源や、ソニー独自の立体音響「360 Reality Audio」に対応するほか、「Xperia 1 II」と同様に3.5mmのオーディオジャックも搭載されています。
理由4:バッテリー持ち、バッテリー寿命も考えた新機能
充電しながらゲームをプレイする際、高温化を避けるためにバッテリーではなくシステムに直接給電するしくみを採用するなど、今回は電池周りにも様々なアップデートが加えられています。
まず特筆すべきは前モデルの「Xperia 5」から、サイズダウンしているにもかかわらず、バッテリーが3,140mAhから4,000mAhへと、かなり大容量になっていること。さらに最短30分で約50%の急速充電が可能なので、高速&高感度ディスプレイや5G対応による電池消費をしっかりカバーできます。
またバッテリーは長く使っていると劣化し、電池が早く消耗するようになりますが、「Xperia 5 II」は劣化を抑える「いたわり充電」にも対応しています。
理由5:片手操作にちょうどいいサイズ感。妥協のないコンパクト
いわゆる「ゲーミングスマホ」には6.5インチ超えの大画面モデルが多い中、約高さ158×幅68×厚さ8.0mm、重さ163gというコンパクトサイズに、フラッグシップモデルとほぼ同じカメラとサウンド、「ゲーミングスマホ」相当のチップセット&ディスプレイ性能、大容量バッテリーを搭載した「Xperia 5 II」は、小さいけれど高性能な端末を得意とするソニーならではの、かなり意欲的なスマートフォンだと言えます。
リフレッシュレートの高いディスプレイはゲームのほか、ツイッターやインスタグラムなどのタイムラインをスクロールするときにも見やすくいので、ゲームユーザーだけでなく、SNSのヘビーユーザーにもおすすめ。画面横からよく使うメニューを呼び出せる「サイドセンス」や、ワイドディスプレイを生かした2分割表示もより使いやすくなっていて、もちろん防水やおサイフケータイにも対応。片手でパパッと操作できる感じは、特に若い世代のユーザーから支持を集めそうです。
【記事修正】auからXperia 5 IIの発売日が発表されたため、情報を追加しました(2020年10月12日) |