5月下旬に発売予定の5Gスマートフォン「Xperia 1 II」。21:9の有機ELディスプレイや最新の5Gに対応するなどの多彩なスペックを搭載していますが、その中でもソニーのレンズ交換式カメラ「α」シリーズの技術をふんだんに盛り込み、カメラ機能を特に強化している点が特徴です。
発売に先駆け、ソニーモバイルコミニュケーションズは、Xperia 1 IIのカメラ機能について解説するオンライン説明会を開催しました。
老舗ツァイス搭載、こだわりのトリプルカメラ
Xperia 1 IIに搭載されているカメラは、超広角、メイン、望遠というトリプルカメラ。これに加え、距離を測位するための3D iToFセンサーも備えています。まずはこのカメラのレンズへのこだわりを紹介します。
レンズはドイツの名門、カール・ツァイスのツァイスレンズを搭載します。もともとソニーはコンパクトデジタルカメラ「サイバーショット」の高級機や、αシリーズ用の交換レンズでツァイスレンズを採用してきた実績があります。Xperia 1 IIでは、3つのカメラ全てでツァイスの基準をクリアした高精度なレンズを搭載。画質を高めています。
T*コーティングとは? 抜けの良い画質の秘密
ちなみにスマートフォンでツァイスレンズを搭載した例では、「Nokia 9 PureView」がありましたが、この端末にはなかったXperia 1 IIの特徴がT*(ティースター)コーティングです。
カメラ用レンズだけでなく眼鏡用レンズでも、表面に薄い膜を蒸着させるコーティングと呼ばれる処理が一般的に行われます。通常のレンズは、レンズ材料や枚数、形状などの様々な工夫で、レンズ表面から入った光をセンサーまで届けようとしています。その工夫の1つがコーティングです。
コーティングは、AR(Anti-Reflective)コーティングとも呼ばれるとおり、反射の防止が目的。入射した光線がレンズ境界面で反射するのを防ぐことが狙いで、光芒のような反射が生じてしまうゴーストや、画面全体が白くなってコントラストが低下するフレアといった現象を最小限に抑えて透過率を高めるためのもの。
レンズメーカー各社とも、こうしたコーティングには独自技術を盛り込んでいますが、1930年代から研究を続けてきたツァイスのT*コーティングには定評があり、忠実な色再現と抜けの良い描写を実現しているとされています。そうしたツァイスの基準をクリアしたのが、Xperia 1 IIのレンズです。特に太陽光や強い照明が画面内にあるシーンでの画質向上などが期待できそうです。
Xperiaではこれまで「Gレンズ」を採用していましたが、Xperia 1 IIではツァイスレンズになりました。T*コーティングによる逆光耐性などのメリットはありつつ、レンズとしては同列という位置づけだそうです。交換レンズにおけるGレンズとツァイスレンズの関係と同様というところでしょう。