3月の突然の休校から早いもので半年以上。子どもたちが自宅で過ごす時間が増えました。中学2年生の我が子もその1人です。放っておけば、ゲーム三昧、Youtube三昧という年ごろですが、時間を少しでも有意義に過ごして欲しいと思うのが親心。日ごろから図書館で借りた本を読む程度には読書をたしなんでいましたが、コロナ禍で公共の図書館も学校の図書室も利用ができなくなりました。

そこで便利なのが電子書籍。アマゾンの読み放題サービス「Kindle Unlimited」に申し込み、手元にあったAmazon Fire HDを手渡したものの、読書をしているものと思いきや、いつの間にやらゲームをダウンロードしたり、Youtubeで動画を見たり、本来の目的とは違った使い方をしています。

読書が好きなお子さんならともかく、中学男子たるやゲームやらYoutube動画の誘惑に打ち勝つことがきない様子。易き方向に流れてしまいがちなのは大人も子どもも同じですが、それでは何のためにわざわざタブレットを渡したのか本末転倒です。

  • Fire HD 10

    最初に渡した「Fire HD 10」。10.1インチ、フルHDの高解像度なカラー画面は見やすく、動作もサクサクしていて快適。読書用にと渡したはずなのに、Youtubeなどの動画も見られるので、電子書籍端末として使われなくなってしまうのが難点

そのような我が子には、何でもできるマルチな端末よりも、読書専用の端末を手渡すほうが得策。誘惑に勝てないときには物理的に切り離してしまうのが一番です。改めて用意したのはAmazonの電子書籍端末「Kindle」です。現在、3つのモデルが展開されていますが、まずはキッズモデルを試してみることに。

Kindleキッズモデルは「帯に短したすきに長し」?

キッズモデルのKindleは、ハードウェアとしてはエントリーモデルの「Kindle」と同じです。しかし、4種類のキッズ向けデザインカバーが選べることと、1,000冊以上の子ども向けの本が読み放題になる「FreeTime Unlimited」が1年間利用できる特典と、壊れた場合には無料で取り替えてくれる2年間の限定保証が含まれていることが通常モデルとの違いです。「FreeTime Unlimited」の年間利用料は、プライム会員なら5,760円、通常だと11,760円なので、1台の端末価格10,980円だけで元が取れるので、お得ですね。

  • 読書用にはやはり専用の電子書籍端末が一番! まずはデザインがステキなカバーも付属する「Kindleキッズモデル」を用意。「Fire HD」と比べると、文庫本サイズで軽くて持ちやすいのも◎

ところが、「FreeTime Unlimited」の対象年齢は3歳から12歳。書籍のラインナップは児童文学が中心で、中には『ハリーポッター』シリーズなど大人が読んでも楽しめるタイトルはあるものの、全体的にはやはり幼児から小学生向けの書物が多く、中学生には少々もの足りないのが本音のようでした。

  • キッズモデルは、ハード的には通常の「Kindle」と同じですが、子ども向けの書物が読み放題になる「FreeTime Unlimited」の1年間利用料が含まれています。しかし、書籍のラインナップは中学生にはちょっともの足りないかも……

ちなみに、Amazonのデバイスでは、「ペアレントダッシュボード」というペアレンタルコントロール機能も使えます。1日の利用時間の上限や使用時間帯を制限できるのですが、どちらかというと、おもにタブレット端末「Fire HD」向けの機能です。残念ながら、Kindleキッズモデルで設定できるのは、年齢に適したコンテンツを表示するための年齢制限のみ。親がネット上で、子どもが見ているコンテンツや読書の進捗を確認する機能は便利なのですが、中学生にはそれほど必要がない機能かもしれないというのが正直なところでした。

  • Amazonの電子書籍やタブレット端末向けのペアレンタルコントロール機能「ペアレントダッシュボード」。子ども用のアカウントを作って、ネット上で利用可能なコンテンツの追加や削除、1日の利用時間などの設定・管理ができます。ただどちらかといえばタブレット向けで、Kindleではあまり使えません

そんなわけで、Kindleキッズモデルは中学生が使うには「"帯に短し、たすきに長し」な印象。中学生ともなれば、自分が読みたい本も出てくることから、本人からリクエストを聞いてAmazonでKindle版の書籍を購入し、Kindleに配信するという方法を採用しました。