「Kindle Paperwhite」「Kindle Oasis」はどうか

まずは、1つ上のモデル「Kindle Paperwhite」(以下、Paperwhite)。本体サイズと画面サイズはエントリーモデルのKindleとほぼ同じ。ただし、フラットなベゼルを採用しているためか、Paperwhiteのほうが心なしか大きく見えます。

  • Paperwhite(左)とキッズモデルとのサイズ比較。画面の大きさもほぼ同じ

厚みはPaperwhiteのほうが6mmほど薄く、重さもキッズモデルの288g(キッズカバーを含む)に対して182gと、100g以上も軽くなっています。

  • 厚さに関しては、Paperwhite(下)のほうが微妙にスリム

両者を比べて一番大きな違いは画面の精細さです。キッズモデルの167ppi(ピクセル/インチ)に対して、Paperwhiteは300ppi。キッズモデル自体も読みづらいほどではありませんでしたが、Paperwhiteは文字がかすれたようなギザギザがなく、確かに1段上のレベルです。文字がくっきりとシャープで読みやすく感じます。

  • Kindleの画面。文字は十分に読みやすいものの、若干かすれたようなギザギザがあります

  • Paperwhiteの画面ドットはKindleの2倍近い高密度。文字のコントラストもはっきりしています

次に最上位モデルの「Kindle Oasis」(以下、Oasis)です。サイズは3モデルの中で最も大きく、画面サイズも7インチと最大。Paperwhiteと同じようにフラットベゼルを採用し、画面も300ppi。重さはPaperwhiteより6gだけ重い188gですが、厚さは最も薄いところで3.4mm。人間工学に基づき、本体側面にページ送りボタン搭載している関係で、その部分は8.4mmとなっています。

  • Paperwhite(左)とOasis(右)のサイズ比較。Oasisのほうが幅は広く、縦は小さめ。画面は若干Oasisのほうが大きい

  • Oasisの厚さは最小3.4mmですが、側面にページ送りボタンを搭載している関係で最大部分で8.4mmの厚さがあります

  • Paperwhite(上)と比べると、最も薄い側はこれだけスリム

  • ボタンがある側の厚さはPaperwhite(上)とほぼ同じ

  • Oasisは片側にページ送り用のボタンを備えているのがデザイン上の特長。画面をタッチしなくてもページ送りができて操作性は良好。片手でも持ちやすいのです

最上位モデルならではの機能としては、色調調節ライトを搭載していること。スクリーンの色調を、明るいホワイトから暖かみのあるアンバーへ調節できて、より紙のようなリアルな色味に近づけられます。フロントライトも、周囲の明るさを感知して自動で理想的な明るさに調整してくれる機能があり、目に対する労わりは最高レベルです。

  • スペック上の解像度は、Kindle PaperwhiteもKindle Oasisも300dpiで同じ。画面サイズが大きいぶん、Oasisのほうが同じ文字サイズの設定でもページ内に多くの文字を表示できます

  • いずれも画面の明るさを変えられますが、Oasis(右)は自動調整機能があるのに加えて、色味の変更も可能。白さを抑えて、より目に優しい画面表示になります

  • Oasis(右)で色の暖かさを最大に設定。少々極端な比較ですが、これだけ変わります

PaperwhiteとOasisに共通した、ベーシックモデルのKindleと比べたそのほかの違いは、高解像度ゆえにビジュアルも美しく表示してくれること。ページ続きのシーンを一画面に見開き表示できるため、コミックを読むのであれば、上位の2機種がベターです。

また、PaperwhiteとOasisは、IPX8等級の防水性能を備えています。水深2メートルの真水に最大60分まで耐えられる仕様のため、お風呂やプールサイドでも安心して使えるのではないでしょうか。

バッテリー性能は、キッズモデルが明るさ設定13、ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合で、1回の充電で最大4週間の使用。充電時間は、5WのUSB充電アダプター、またはPCからUSBケーブル経由で充電した場合で約4時間です。

Paperwhiteは、明るさ設定10、ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合で、1回の充電で数週間の使用。充電時間は、PCからUSB経由での充電で約4時間、USB充電アダプター経由で3時間です。OASISは、Paperwhiteと同じ条件で、1回の充電で最大6週間の使用。充電時間は約3時間となっています。

Kindleには、いずれのモデルにも辞書機能と単語帳機能が内蔵されており、書物の中でわからない言葉があればタップするだけですぐに調べられます。調べた言葉は自動的に単語帳に追加されるので、語彙力アップにも役立つちますね。

  • 3モデルとも、4冊のメジャーな辞書データを収録

  • 読書の最中にわからない言葉に出会っても、直接選択して検索できるのでスムーズ。マーキングや単語帳機能に登録しておくと、後でまとめて確認したり学習にも使えます

PaperwhiteとOasisはウィキペディアでの検索にも対応しており、さらに「Whispersync機能」によって最後に読んだページを同期できるため、読んだページがわからなくなることがありません。どの端末でも続きをすぐ読めるのは便利です。

さて、中学生の息子が利用するAmazonの電子書籍環境として、最善の端末を探そうと思って試してみました。動作性や反応速度に関しては、3モデルとも大きく違いはなく、入門用にはスタンダードなKindleでも十分。ただし、視力への影響や長時間使うとなると、文字の読みやすさは快適性に大きく関り、Paperwhite以上を選びたいと思いました。

中でもOasisは最上位であるだけに、重量感や薄さといった手で持ったときの物理的な快適さもやはり最高峰。一方で、持ち運びやすさはサイズ的にPaperwhiteが有利で、甲乙つけがたい印象です。家族でシェアして複数台のKindleを用意するのであれば、自宅用にOasis、持ち歩き用にPaperwhiteと使い分けるのもアリです。