レノボ・ジャパンは5月26日、「ThinkPad X1 Carbon Gen 8」や「ThinkPad X1 Yoga Gen 5」などのThinkPadシリーズ16モデルや、2世代目となるワイヤレスキーボード「ThinkPad キーボードII」を国内発表した。特にテレワークでの利用を想定した製品群として、5月29日から順次発売する。

  • ThinkPadシリーズの2020年版フラグシップ「ThinkPad X1 Carbon Gen 8」

発表されたThinkPadシリーズは次の16モデル(Intel / AMDモデルはそれぞれ1モデルでカウント。リンクは詳細記事へ)。同日開催されたオンライン発表会では、市場の動向や製品の特徴などが紹介された。

コロナ終息後も8割がテレワーク希望

法人ビジネスを担当する、レノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田稔氏は、2020年3月の同社調査で「COVID-19終息後もテレワークを希望する人が8割いる」とし、「固定された場所、決められた時間の中で動く従来型の働き方から、ZoomやMicrosoft Teamsなど、クラウドを活用した働き方が許容されてきている。働き方で企業が選ばれる時代になる」と市況を紹介。緊急事態宣言は5月25日に解除されているが、「ある程度揺り戻しはあっても、完全に従来型の働き方に戻ることはない」と企業における働き方の変化を想定した。

  • レノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田稔氏。レノボが同日無償公開した「テレワーク環境ガイド」を手にする

  • レノボがグローバル(日本、ドイツ、中国、米国、イタリア)各国において、企業内でIT購入決定権を持つ担当200人を対象に実施した調査のうち、日本市場を対象とした調査結果。約8割が新型コロナウイルス感染症終息後もテレワークを希望したという

今回発表した2020年版のThinkPadシリーズは「テレワーカー向けの製品」と訴求。ゴールデンウィーク前後から高まっているテレワーク需要を意識した製品で、レノボは効率よくテレウェアークを行うための指針を示した「テレワーク環境ガイド」もあわせて無償公開した。

  • テレワークのなかでも在宅勤務に焦点を当てた働き方の環境ガイドを無償公開。部屋や通信環境、ノートPC、デスクトップPCといった働く環境に適した製品を紹介する

新ThinkPadは通信周りを強化、14型にも注力

レノボ・ジャパン コマーシャル事業部 企画本部 製品企画部 モバイル製品担当の吉原敦子氏は、新しいThinkPadシリーズの進化ポイントを、通信周り、オーディオ周り、サイズ感の3点と説明した。

  • 今回発表したThinkPadシリーズ新製品群

通信周りはネットワークを強化。全機種でWi-Fi 6に対応し、X1シリーズ、X/TシリーズのIntel製CPU搭載モデルではLTE Cat.16通信にも対応した。

また、オーディオ周りに関しては、360度集音マイクを従来モデルから継続して搭載したほか、スピーカーはモデルに応じてDOLBY ATMOSやDOLBYオーディオ SPEAKER SYSTEM、DOLBYオーディオなどを内蔵。また、オンライン会議などでアプリ通話を使う場合、慣れないとオンオフ操作がしにくいが、ThinkPadシリーズでは受信・終了をワンタッチで行えるファンクションキーを備えていると紹介した。

  • 新しいThinkPadシリーズではWi-Fi 6(IEEE802.11ax)を標準搭載。一部モデルではLTE Cat.16通信にも対応する。また、着信応答や通話終了操作を行える専用キーをファンクションに割り当てている

サイズに関しては、テレワークで好評だという薄型軽量の14型モデルを多くラインナップ。なお、今回発表されたThinkPadシリーズ16モデルのうち9モデルが14型となっている。

吉原氏は、現状の働き方の需要が「移動型ではなく、在宅型のテレワークが求められている」とし、「PCを持ち運ばないテレワークが広がるなかで、ちょうどよく薄型軽量で、かつ導入しやすい価格帯の製品が重要」と解説。在宅勤務に適した14型スタンダードノートPC「ThinkPad L14 Gen 1」は従来より小型化を図り、天板も指紋がつきにくい加工になっているという。同モデルに加え、X13 Gen1やTシリーズでAMD Ryzen Pro 4000シリーズを搭載し、より低価格なラインナップも用意した。

  • 360度集音マイクを標準搭載。スピーカーはDOLBYオーディオを内蔵する

  • テレワーカー向けの設計をうたう「ThinkPad L14 Gen 1」は、家庭内で持ち運びやすい14型ディスプレイに小型化した新設計筐体を採用する

  • ThinkPad L14 Gen 1は指紋が付きにくい天板を採用

発表会では、14型のType-C接続モバイルディスプレイ「ThinkVision M14t」も参考出展された。2019年6月に国内発売した「ThinkVision M14」の後継モデルとみられ、重さは約750gと増加したものの、新たにタッチ入力に対応している。

ThinkVision M14tに関しては、家庭内で作業スペースがなくともケーブル1本でノートPCとのデュアルディスプレイ化ができ、片付けも簡単なためテレワークで活用できるというデモンストレーションも披露された。発売日や価格などは明かされず、「詳細は後日の発表」と案内された。

  • 約750gのタッチ対応の14型ディスプレイ「ThinkVision M14t」が参考出展

  • 家庭内で仕事する場所が取れず、ダイニングテーブルでの作業になっても、ノートPCとThinkVision M14tの組み合わせであればケーブル1本で接続でき、作業終了後の片付けも手軽だとする

  • 同時発表された「ThinkPad トラックポイント キーボード II」。価格は14,500円(税別)。既存モデル「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」の後継で、Bluetooth 5.0とUSBレシーバー(2.4GHz帯)というデュアルワイヤレス接続になっている。Bluetoothの接続性は改善され、既存モデルよりスムーズな接続が行えるとのこと。既存モデルは併売する