仮想化環境に適したバックアップアプライアンス製品を提供するルーブリック・ジャパンは11月22日、都内でメディア向けに事業戦略説明会を開催した。説明会には米国本社から共同設立者 兼 CEOのビプル・シンハ氏が来日し、同18日に新たに同社のカントリー・マネージャーに就任した石井晃一氏が出席した。

同社では、2Uのアプライアンス製品「r6000シリーズ」、サードパーティのハードウェア製品上で動作するソフトウェア、仮想アプライアンス、クラウド上で動作するソフトウェアをラインアップし、日本のディストリビューターはノックス、東京エレクトロンデバイス、ネットワールドの3社となる。

  • これまでの同社の製品概要

    これまでの同社の製品概要

シンハ氏は「ただ単にテクノロジーを開発して販売するだけではなく、われわれにとって重要なことは製品を使用して顧客が成功してもらうことだ。ハイブリッド/マルチクラウドに対応できる製品を提供し、顧客のクラウドジャーニーを加速させるものを作り上げている」とアピールした。

  • 米Rubrik 共同設立者 兼 CEOのビプル・シンハ氏

    米Rubrik 共同設立者 兼 CEOのビプル・シンハ氏

同社では、オンプレミスやクラウドを問わないデータ管理ソリューションを提供し、ポリシードリブンのためシンプルな構造を持ち、APIに基づくソフトウェアプラットフォームにより、コンテンツアウェアなデータインサイトを引き出すことを可能としている。

同氏は「ユーザーはオートメーション、オーケストレーション、セルフサービスなどを展開できる。そして、非常に大きな価値をマーケットに提供しているものとして挙げられるのがサイバーレジリエンスだ。これは、ワンクリックでランサムウェアからの復旧を可能としている」と力を込める。

これにより、運用効率の改善やクラウドモビリティ、TCO(Total Cost of Ownership)の削減、リスクの低減が図れるという。

日本のマーケットについて同氏は「質の高いカスタマーサポートと技術支援が求められるが、われわれはエンジニアリング、サポート、サービスに投資しており、日本法人の半数以上は技術系の人材だ。そして、カスタマーサポートに大きな投資をし、認定されたプロのサポートを受けられ、GUIも日本語化しており、日本はわれわれとしては大きなオポチュニティであり、デジタルトランスフォーメーションを支援している」と述べた。

次いで、登壇した米Rubrik アジア太平洋地域および日本担当バイス・プレジデントのカマル・ブラー氏は「われわれのキーとなるリージョンは日本、東南アジア、インド、オーストラリアおよびニュージーランドだ。日本のマーケットへの投資は昨年比で倍増する予定であり、今後3年間の計画を考えた際に日本は重要なマーケットの1つだ。非常に大きな期待があり、レガシー型のデータプラットフォームからクラウド型のデータプラットフォームに移行する機会が拡大している。また、数週間以内に日本向けのサービスの発表を予定し、今後1年半の間に現状比2~3倍の成長を目指す」と話していた。

  • 米Rubrik アジア太平洋地域および日本担当バイス・プレジデントのカマル・ブラー氏

    米Rubrik アジア太平洋地域および日本担当バイス・プレジデントのカマル・ブラー氏

そして、ブラー氏に続き登壇したのは石井氏だ。同氏はルーブリック・ジャパン入社以前はタニウムに在籍し、日本国内のパートナービジネスの強化や大手企業向け啓蒙活動の促進に従事。タニウム以前はヴイエムウェアにおいて国内パートナービジネスの立ち上げから強化までを主導したことに加え、国内の広域企業向けビジネスを統括していた。

  • ルーブリック・ジャパン カントリー・マネージャーの石井晃一氏

    ルーブリック・ジャパン カントリー・マネージャーの石井晃一氏

石井氏は「すべての顧客において、最重要事項はビジネスの可用性だ。日本のマーケットはクラウド化に進み、クラウドへの依存が大きくなっている一方で、なにか発生するとビジネスへの影響も大きくなってしまう。また、従来は企業内ネットワークのみを保護すればいいと考えられていたものが、マルチクラウドが当たり前になったことでセキュリティに対する取り組みも新たな形にしなければならない」と指摘する。

そして、同氏は「そのような中で、単一のプラットフォーム上で組織に点在したデータやサイロ化したデータを、いかに効率的に管理するとともに適切に利用し、バックアップリカバリを起点にデータ利活用の自動化を行うことがビジネスの継続に貢献できるのではないかと考えている。そのため、ルーブリック・ジャパンへの入社を決めた」とカントリー・マネージャーに就任した背景を説明した。