高精細な映像の力は人々を楽しませるだけではない。プロフェッショナル向け映像機器をはじめ、音や映像の飽く無き追求を行うソニー(ソニー、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ、ソニービジネスソリューション)は3日、病院内での手術室内外の映像をリアルタイムに一元化し活用できるIPベースのプラットフォーム「NUCLeUS」(ニュークリアス)の提供開始を発表した。

手術室を含む病院内をIP(Internet Protocol)ネットワークを通じた映像データで繋ぐことで手術のサポートや業務ワークフローの効率化を目指す医療用映像プラットフォーム。公式サイトには、その概要が記されているが、エンドポイントではタッチパネルで操作できる可変のユーザーインタフェースを用いて、術前の検討から術後レビュー、リアルタイムでの映像・音声による手術サポート、病院情報システムや麻酔管理システム、MRIなどでの撮影画像管理システムPACS(Picture Archiving and Communication Systems)の連携など"医療映像"の一元管理。スタッフ、医局、診察・執務室、研修講義室など医療組織のそれぞれがリアルタイム配信の情報で状況確認するなど、双方向コミュニケーションをもたらすものだ。

  • 「NUCLeUS」の概要(同社資料より)

    「NUCLeUS」の概要(同社資料より)

プラットフォームの発表と同時に、NUCLeUSを構築する映像の管理・活用のための商品群もライセンス発売されており、スイッチング・ルーティング(映像切替)、コンテンツマネジメント(映像管理)、ブロードキャスト(ライブ配信ソフト)、テレストレーション(離れたところから映像に注釈を加えるソフトウェア)、HISインテグレーション(患者情報システムとの連携ソフトウェア)、ADインテグレーション(ユーザー認証システムとの連携ソフトウェア)、IPカメラソース(カメラ制御ソフトウェア)、NUCLeUSリンク(PC画像の送信ソフトウェア)がソフトウェアアプリケーションとして発表されている。

また、独自方式のIPコンバーター受信/送信専用機もハードウェアとして発売。手術室など複数の映像を柔軟にPIP(Picture-in-picture)できるなど4Kに対応する映像ネットワークを構築できる。同社は、4Kによる手術部位撮影カメラ、モニターやレコーダーなど医療周辺機器を提供しているが、今後「NUCLeUS」を新たに商品構成に取り入れることで病院内の統合的ソリューションを提案していく旨を述べている。