写真ファン注目の交換レンズを持って、オリンピックの開催を来年に控えて変化を続ける東京をブラブラと撮り歩いてみました。今回選んだのは、ソニーのEマウント用交換レンズの最高峰「G Master」シリーズの望遠レンズ「FE 135mm F1.8 GM」(SEL135F18GM)。有効4240万画素の「α7R III」と組み合わせ、豊洲周辺を歩きました。

  • α7R IIIに装着した「FE 135mm F1.8 GM」(SEL135F18GM)。実売価格は税込み23万円前後ですが、多くのカメラ量販店では品薄傾向が続いており、7月中旬以降の出荷予定となっています

前回は広角レンズ「FE 24mm F1.4 GM」をインプレッションしましたが、同時にFE 135mm F1.8 GMも持ち歩いてブラブラと撮影していました。FE 24mm F1.4 GMは解像感の高さに目を見張りましたが、FE 135mm F1.8 GMもその描写に驚かされました。α7R IIIの高画素を引き出す解像感と色のりのよさ、そして美しいボケ味と、G Masterレンズならではの写りを見せてくれたのです。

  • 臨海副都心のクレーン上をヘリコプターが旋回しています。空気がやや霞んでいましたが、東京の空をクリアに写し出してくれました(ISO100、1/1250秒、F8.0、-1.7補正)

  • 造成中の工事現場越しにレインボーブリッジを遠望しました。135mmともなれば遠近感の圧縮効果も出て、遠くの景色がグッと近くに迫って写ります。「α7R III」のモノクロームモードで荒々しく撮ってみました(ISO100、1/250秒、F16.0、-1.3補正)

  • 運河に架かる橋から水陸両用車を連続撮影で追いかけてみました。オートフォーカスは高速かつ正確で、その動きを見事に捉え続けてくれました。水面の光を反射するボディサイドと、キラキラと光る飛沫の描写がとてもリアルです(ISO100、1/400秒、F8.0、-0.7補正)★

  • 豊洲ぐるり公園から、対岸にあるオリンピック選手村の宿舎を撮りました。建築ラッシュのまっただ中で、クレーンが建材を引っ切りなしに上げ下ろししています。F8に絞ってシャッターを切りましたが、手前に停泊している水産庁の船の立体感と、工事用ネットで覆われている宿舎の描写が緻密でいい感じですね(ISO100、1/400秒、F8.0、-1補正)

オートフォーカスも高速かつ高精度で、使っていて実に気持ちがいいレンズです。レンズ鏡筒のシボのある仕上げは滑り止め効果があると同時に、落ち着いた印象で高い品位も感じさせてくれました。何より、絞りリングの搭載がうれしい点です。写真を撮る楽しさが実感できる装備といえるでしょう。もちろん、フォーカスホールドボタンも用意されています。

「135mmはあまりなじみがない焦点距離」というフォトグラファーがいるかもしれませんが、このレンズはそんな不安を吹き飛ばす画質と使い勝手のよさを感じさせてくれる1本だと思います。

  • FE 135mm F1.8 GMは色乗りもバツグン。埠頭に横付けされている船のボディカラーを忠実に再現してくれました。船名の部分や船体など、ディテールもリアル感ある写りです(ISO100、1/320秒、F8.0、-1補正)

  • オートフォーカスもなかなか優秀です。編隊を組んで飛んでいくカモメを追いましたが、連続撮影でも合焦し続けてくれました。スッキリとした青空の色も気に入っています(ISO100、1/400秒、F8.0、-0.7補正)

  • 逆光状態で晴海埠頭を狙いました。入出航の両方が可能という意味の「F」表示にフォーカスしましたが、傾きかけた光が海面に反射する様子が美しかったです。このような光線状態でしたが、暗部の細かいディテールが詳細に見て取れるほどの写りに舌を巻きました(ISO100、1/1000秒、F11.0、-0.7補正)★

  • 豊洲市場のオープンやオリンピック選手村建設などで、この周辺はガラッと風景が変わりました。数年前にはなかった橋ができ、運河沿いに分断されていた地域の行き来ができるようになったのは便利ですね。羽田空港にアプローチする旅客機を入れ、自転車を漕いで銀座方面に渡る人を撮ってみました。カリッとした描写もいいですね(ISO100、1/1250秒、F5.6、-1補正)

  • 橋を渡り切ると、再びオリンピック選手村宿舎の建設現場です。このように切り取って撮ると、竹で足場を組んでいた中国の工事現場にも見えてくるから面白いですね。ネット、ワイヤー、クレーン、フェンスなど、FE 135mm F1.8 GMの解像感は実に見事!(ISO100、1/800秒、F5.6、-1.3補正)

  • 海越しに東京タワーと六本木ヒルズ森タワーが見えます。日が傾いて光が色づいていましたが、FE 135mm F1.8 GMとα7R IIIは微妙な空気感もキャプチャーしてくれました。明るく、解像感が高く、色の乗りもバツグンで、オートフォーカスも素早く優秀なFE 135mm F1.8 GMは、とても使いがいのある1本だと感じます。望遠レンズの特徴を出して撮影したいフォトグラファーは、試す価値があるレンズだと思います(ISO100、1/800秒、F8.0、-1補正)

【編集部より】末尾に「★」が付いている作例はファイルサイズが30MBを超えており、サーバーの制限によりアップロードができないため、「Adobe Lightroom Classic CC」で一切の調整を加えずにJPEG画質90で書き出し、ファイルサイズを20MB台に抑えました。ご了承ください。