NTTドコモから登場した2019年夏スマホ。総務省から通信プランと端末価格の分離が強く指導される中、新たな購入方法の発表にも注目が集まっていたが、こちらも新たに「スマホおかえしプログラム」が提示されるなど、盛り沢山な内容だった。2019年夏モデルとして発表された13機種の見どころを、実機のタッチ&トライを通じて解説しよう。今回はミドルレンジ編。Xperia AceやGoogle Pixel3aなど4機種を紹介する。

  • 6月中旬に発売予定のソニーのミドルレンジスマホ「Xperia Ace」

ドコモ2019年夏モデルはミッドレンジ層がアツい!

ハイエンドクラスと同様に、ドコモが力を入れてきたのがミドルレンジクラスの端末だ。価格帯で言えば3万~5万円程度の端末となる。最初から最新のAndroid 9が搭載されているほか、ハードウェア的にも洗練されている。

支払額としては補助がなくても分割時で月額1,000円台前半(36回払いの場合)で済み、一括払いでも負担が少なめといえる金額だ。ただ、「docomo with」などの低価格~ミドルクラスを対象とした割引通信プランがなくなり、新販売プラン「スマホおかえしプログラム」の対象でもないため、低コストの旨味はあと一歩といったところ。

なお、ミドルレンジクラスの充電端子はUSB Type-Cに統一されており、イヤホン端子を搭載しているものが多いことも特徴だ。充電用のケーブルだけは更新したほうがいいが、それ以外は既存の機器を流用できる点もお財布に優しいといえるだろう。

カメラ機能が魅力の新Xperia:ソニー「Xperia Ace」(SO-02L)

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    Xperia Ace(SO-02L)

  • 2019年6月中旬発売
  • オンライン販売額:48,600円
  • 36回払い時の月額支払額:1,350円

Xperiaシリーズのニューモデルとして投入されるのが「Xperia Ace」だ。5インチ・フルHD+(2,160×1,080)の液晶パネルを採用しているが、手に持った感じはかなりコンパクト。本体幅は67mmで、既存モデルと比較すると、1年前に登場したXperia XZ2 Compact(65mm)とほぼ同等。しかし厚みでは約2.8mmも薄くなっている。

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    4インチ級の機種と比べるとさすがに大きいが、このサイズなら、手が小さめな人でも十分片手操作が可能だろう

カメラはアウト側が光学式+電子式のハイブリッド手ぶれ補正を採用。F値=1.8の明るいレンズを搭載しており、コンパクトサイズながら夜景や暗いシーンでの撮影に強そうだ。

インカメラもセルフィー撮影では一人用(画角80度)に加えて、多人数撮影の超広角モード(画角120度)に対応しており、Xperia XZ2 Compact(画角=90度)よりも多くの人を一度に写しこめる。一方でXperiaシリーズに共通だったカメラキー(カメラ専用の物理ボタン)がなくなっているので、カメラアプリの起動や撮影がボタン操作だけでできなくなった点はやや残念だ。

同サイズのXZ2 Comcampactと比べるとSoCの性能はやや見劣りするが、実売で5万円台を切る最新のXperiaシリーズという点はなかなか魅力的。細かいことながら、イヤホン端子が残っているのも、有線接続派には嬉しい点だろう。夏モデルのスタンダードクラスでは価格面で上位に位置付けられるモデルだが、その座にふさわしい実力の持ち主と言っていい。

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    本体上側にイヤフォン端子を装備。ハイレゾ再生にも対応し、有線接続時は高音質技術「DESS-HX」も利用できる

大容量バッテリー&大画面:LG「LG Style2」(L-01L)

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    LG Style2(L-01L)

  • 2019年7月発売
  • オンライン販売額:38,880円
  • 36回払い時の月額支払額:1,080円

スタンダードクラスで最大の6インチディスプレイを搭載したLGの「Style 2」は、低価格でもワンセグやFeliCa(おサイフケータイ)といった基本機能や、画面のサイズやバッテリー容量を重視したいというユーザー向けのモデル。もともと前のモデルであるStyleもミドルクラスでは中間よりやや上といったスペックを持つ端末だったが、Style 2もその傾向を引き継いでいる。

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    充電はUSB Type-Cポートだが、イヤフォン端子を本体下側に装備

前モデルからの大きな変更点としては、アウト側カメラが標準と広角の2カメラ構成になった点。撮影時はAI制御により、被写体に向けるだけで、最適な撮影モードが選択される。また、Style2では画面サイズが5.5インチから6インチへと拡大し、バッテリー容量も約2,890mAhから3,900mAhへと大幅に拡大した。ボディサイズもそれに合わせて拡大しているが、薄さはほぼそのままだ。

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    アウトカメラは中央。縦に並んでいるタイプ

SoCの処理性能は前モデルから据え置きながら、ハードウェアはしっかりアップグレードしており、バランスに優れたコストパフォーマンスの高い機種だと感じられた。大画面による見やすさや、大容量バッテリーの安心感を重視したい人は検討の価値があるだろう。

タフネス端末がさらに強化:富士通「arrows Be3」(F-02L)

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    arrows Be3(F-02L)

  • 2019年6月上旬発売
  • オンライン販売額:33,048円
  • 36回払い時の月額支払額:918円

arrows Beシリーズは低価格ながら落下・衝撃に強いタフネスさが魅力のシリーズだが、arrows Be3ではこうしたタフネスさに加えて流水で洗える防水・防塵性能の高さなども加え、米軍の軍需品に求められる「Milスペック」を23項目クリアしている頑丈さと、ハンドソープや液体食器洗剤で洗える清潔さ、そして日本製ならではのクオリティの高さも相まって、長く使える安心感を前面にプッシュしている。

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    デモンストレーションだが、氷柱の中で氷漬けになっても着信しているarrows Be3。凍った湖面に穴をあけるワカサギ穴釣り中に落としても大丈夫……かもしれない(夏モデルですけどね)

arrows Beシリーズは以前から画面表示の拡大機能を搭載していたが、これまでは指紋認証ユニットを兼ねた本体側面の電源ボタンが、拡大機能の切り替えや操作に使われてきた。arrows Be3では指紋認証ユニット「Exlider」が本体背面に移動し、画面を操作しながらでも最大5倍までの画面拡大・縮小や上下左右へのスクロールを可能にしている。

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    画面拡大機能は文字やアイコンもそのまま最大5倍まで拡大してくれる。個人的な話だが、最近視力が落ちつつある筆者にとってはピンポイントに響く機能だった

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    Webサイトのテキスト表示を5倍にしてみたところ。この文字サイズで長文を読み続けるのは難しいが、細かい文字をこのサイズに拡大できるのは非常に便利

今回の夏モデルでは最も安価な端末ながら、FeliCa(おサイフケータイ)やワンセグも搭載した「全部盛り」モデルであり、ストラップ穴などケータイ文化をそのまま引き継いでいるarrows Be3は、フィーチャーフォンからの乗り換えに最適な一台と言えるだろう。

ピュアAndroidのスタンダードモデル:Google「Google Pixel 3a」

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    Google Pixel 3a

  • 2019年6月上旬発売
  • オンライン販売額:46,656円
  • 36回払い時の月額支払額:1,296円

先日のGoogle I/Oで発表された「Pixel 3a」がドコモからも販売されることになった。カラーはJust BlackとClearly Whiteの2モデルのみで、大型ディスプレイを搭載した「Pixel 3a XL」は今回ドコモからは発売されなかった。

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    Clearly Whiteの本体背面。樹脂製ボディながら、強化ガラス製の上位モデル「Pixel 3」と質感がほとんど変わらない

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    Pixel 3にはなかったイヤフォンジャックも健在(写真はGoogle純正モデル)

すでに発表された機種なので詳細は他の記事に譲るが、樹脂製ボディながらなかなか質感も高く、スタンダードクラスの中では最新SoCとなるSnapdragon 670を搭載しており、ゲーム以外であればほとんどストレスなく動作するパワーも備えている。AIによる強力な補正機能を備えたカメラが気になる人も多いだろう。

ただ、今回のドコモスタンダードクラスのラインナップは、それぞれなかなか魅力的な機種が揃ったので、Google純正のSIMフリー版もある本モデルの位置付けはちょっと難しい面もある。Pixel 3aを選ぶのはITリテラシーの高いユーザーが多いだろうし、そういったユーザーは最初からSIMフリーモデルを選んだ方が、あれこれ楽しみやすい気もする(ドコモ版Pixel 3aにはSIMロックがかかる)。「スマホおかえしプログラム」の対象外なのも残念だ。

ただ、シンプルなピュアAndroidの安心感、最新OSが今後3回アップデート保証されている点、Pixelシリーズ共通のAI機能、日本仕様のFeliCa対応など、実用上も高い魅力のある一台でもある。Google公式価格(税込48,600円)より2,000円ほど安いため、同端末を少しでも安く買いたく、かつメイン端末として使いSIMを入れ替える予定がない人には向くだろう。