パナソニックは、代表取締役社長の津賀一宏氏がかねてからB2B事業の強化を図ってきた。本業の"モノづくり力"にソリューションビジネスのノウハウ強化も進めてきたが、「押しの一手」として投入されたのが冒頭で触れた樋口氏だ。

樋口氏は松下電器産業(当時)出身であり、日本マイクロソフト会長になった経歴の持ち主。だからこそ、サイバーと(フィジカルを)繋げて考えることに長けている。現場の一力氏から見ても、「自分たちの取り組みを強力に後押ししてくれて」おり、ソリューションを担当するコネクティッドソリューションズが「さらに加速している」ように感じるという。

単にデータを収集することが目的ではなく、現場でも気付かないような課題を見つけ出し、それを解決して定着させる。道具や理論ではなく、実感を伴ったパナソニックの課題発見のアプローチが、人手不足や業務の効率化に悩む企業の福音となり、競争力強化に繋がる可能性はあるだろう。