DxO OpticsPro 11(グラフ7)
DxO Labs
http://www.dxo.com/jp/photography/dxo-optics-pro/dxo-optics-pro-win-confirmation-jp
今回から追加したベンチマークである。これは何かというと、デジタルカメラで撮影した写真の現像プログラムで、RAW撮影したデータをJPEGなり何なりに現像するためのものである。同種のものにはAdobeのLightroomとか市川ソフトラボラトリーのSilkypixなどがあるが、筆者の馴染んでいるもの、ということで今回はこちらを利用した。
DxO Optics Pro 11の場合、同社のダウンロードページからお試し版を入手できる。これはDxO OpticsPro 11のElite版相当で、31日間無償で試用できるという期限付きのものである。まずはこれをダウンロードしてインストールする。
ベンチマークに利用する画像だが、Olympus E-M5で撮影したRAW画像100枚を用意し、これを一括で現像する時間を測定した(Photo23)。出力はJPEGを100%出力とし(Photo24)、現像のプリセットは補正なし(Photo25)とHDR:リアル(Photo26)の2種類を選び、それぞれの現像時間を測定した。
Photo23:題材その1のポン太さん。黒白なのでピントがやや合いにくい結果、ややピンボケなのはご容赦の程を(別に写真そのものはベンチマークに関係ないので)。元画像そのものはD:(WDの2TB HDD)のPhotoInというフォルダに格納している |
ちなみに現像中はこんな感じ(Photo27)で、全てのコアをフルに使い切ってくれるので、今回のテストには丁度手ごろと言える。ちなみに測定方法であるが、Photo23の状態で「エクスポート」ボタンを押した時間と、100枚処理後に生成された100枚目のファイルの更新時間をそれぞれ確認し、その時間差を処理時間として計算している。
Photo27:動作を見ていると、ある画像を処理している間に次の画像の処理に入っているようで、割と小気味良く処理されていった。もっとも今回は最低でも8コアのCPUによる処理だからであって「小気味良く」という表現ができるが、4コアくらいのマシンだと地味にストレスである |
結果を紹介する前にちょっと触れておくと、このテストで安定していたのはCore i7-6950XとRyzen 7 1800Xの2製品のみ。Core i7-7820XとCore i9-7900Xでは、Photo23の状態でしばらく(数十秒)ホールドしていると、DxO OpticsPro 11自身が落ちるという謎の現象に見舞われた。
なぜホールドしているかというと、同時に時計を表示して丁度(0秒)になったタイミングでエクスポートボタンを押そうとして待ち構えていたからだ。結局0秒になるのを待たずに、ダイアログを出したらすぐエクスポートボタンを押すことで回避できた(なぜか現像中は落ちない)が、ちょっと気になるところだ。
さて結果はグラフ7の通り。一応、「棒が長いほど性能が高い」ことにするため、1秒あたりの処理枚数という形でグラフを示したが、ちょっと分かりにくい結果になってしまった。
実際の測定データでは、以下のような結果となった。
製品名 | JPEG | HDR |
---|---|---|
Core i7-6950X | 5分02秒 | 5分16秒 |
Core i7-7820X | 4分51秒 | 5分07秒 |
Core i9-7900X | 4分32秒 | 4分42秒 |
Ryzen 7 1800X | 5分37秒 | 5分47秒 |
さらに1枚あたりの現像時間を示したものが以下の表である。
製品名 | JPEG | HDR |
---|---|---|
Core i7-6950X | 3.02秒 | 3.16秒 |
Core i7-7820X | 2.91秒 | 3.07秒 |
Core i9-7900X | 2.72秒 | 2.82秒 |
Ryzen 7 1800X | 3.37秒 | 3.47秒 |
結果としては「Core i9-7900X早ええ」。例えば1,000枚位のRAWデータ(筆者の身近では普通である。なんせ1日取材に行くと、このくらいの枚数は簡単に突破する)でも、Core i9-7900Xだと45分少々で現像が終わる計算だ。ちなみに一番遅いRyzen 7 1800Xだと56分少々かかる。枚数が多いと差は馬鹿にならない。
もっとも筆者の原稿書きマシン(Core i7-3770K)で同じことをすると、1枚あたり10秒近く掛かるので、Ryzen 7 1800Xのスコアですら十分高速なのだが(1,000枚だと2時間半を超える)。