CineBench R15(グラフ4~5)

MAXON Computer
https://www.maxon.net/en/products/cinebench/

実アプリケーションという気がいまいちしない(MaxonのCinema 4Dそのものは製品として利用されているから、嘘ではないのだが)が、なんだかんだで広く使われているので、こちらも実施してみた。グラフ4がCPUによるRendering、グラフ5がOpenGLでのShadingの結果である。

Single CPUでは定格動作周波数通り、という感じなのがMultiple CPUだとCore i7-6950Xが頑張り、Core i7-7820Xを抜いているのはちょっと面白い。とはいえ性能はCore i9-7900Xがぶっちぎりなのは当然と言える。面白いのは、Multiple CPUのケースでCore i7-6950XがCore i7-7820Xを上回る結果を出していること。

IPCを無視して動作周波数とコア数で比較すると以下のようになる。

  • Core i7-6950X : Core i7-7820X = 3.0×10 : 3.6×8 = 30 : 28.8(定格の場合)
  • Core i7-6950X : Core i7-7820X = 3.5×10 : 4.3×8 = 35 : 34.4(Turbo Maxの場合)

理論上はCore i7-6950Xの方がちょっとだけ高速(実際はTurbo Maxでは8コア動作はしないので、定格の方が実情に近い)だが、30 : 28.8 = 10 : 9.6と、この数値に近いスコアになっている。これの何が面白いかというと、こうした傾向が出ているのはCineBenchだけということだ。

実際にはキャッシュとかメモリサブシステムなどの影響もあるから、性能差はもっと小さく、実際次のPOV-RAYではCore i7-7820Xの方が高速である。珍しくCineBenchとPOV-RAYの傾向が異なる結果になった。

Shading(グラフ5)に関しては、本来Single CPUでの動作(OpenGLのドライバはThread化されていない)からCore i7-7820Xが最高速かと思えば、Core i7-6950Xが最高速というこれまた謎な結果で、おまけにCore i9-7900Xが次に高速という不思議な結果になっている。余談だが、Ryzen 7 1800Xもこれに関してはもう少し頑張ってもいいんじゃないかという気もする。