TKCは3月10日、国が推進する「民間事業者におけるマイナンバーカードの利活用」で、第1号となる総務大臣認定を受け、同日付けで告示されたと発表した。

これは、同社の社内業務でマイナンバーカードのICチップに設けられた「拡張利用領域」の利用が認められたものとなり、今夏からセキュリティールーム(個人情報など機密情報を取り扱う業務のため、一段と高い安全対策を施した専用ルーム)への入室権限の認証・許可と、個人情報を取り扱う端末の利用権限の認証・許可の業務で活用を開始する予定だという。対象社員の範囲は、初年度は関連業務にたずさわる開発担当者20名程度を想定している。

社内利用イメージ

これにより、社内の情報セキュリティー対策の強化と業務の効率化を図るとともに、社員情報など必要な情報をマイナンバーカードに書き込む、あるいはカードから情報を読み取って業務権限や入退室の認証を管理する専用システムの開発にも着手した。

マイナンバーカードは、表面を本人確認のための公的な身分証として利用できることに加え、ICチップの拡張利用領域にアプリケーションを搭載し民間企業や地方公共団体などが社員(職員)証などに利用することが可能。

今年7月に予定される「国と地方との情報連携」および「マイナポータル」の本格運用を控え、国は民間企業などへカードの普及・利用を積極的に働きかけており、2016年11月25日には内閣府と総務省が連名で、関係機関に対して「企業従業員等に対するマイナンバー(社会保障・税番号)制度の周知・広報について(依頼)」を通知した。

同社は、これまでにも全国のコンビニエンスストア等で各種証明書が取得できる「TASKクラウド証明書コンビニ交付システム」を提供するなど、マイナンバーカードの利用拡大、住民の利便性向上に努めている。今回の認定を受け、社内での活用シーンを拡大するとともに、顧客へのサービス展開を行うことも視野に入れた利活用の実証に取り組むという。

今後、今回の実証結果を踏まえ、勤怠管理や業務パソコンへのログイン管理など他の社内業務への展開や、同社の製品・サービスへの展開を検討している。