新機種の機能紹介に先立ち、平成29年2月1日付けでカシオ計算機 コンシューマ開発本部長に就任した元QV事業部長 中山仁氏が登壇。デジタルカメラ事業の概要と方針について語った。

中山氏はまず、カシオ計算機は「時計事業と教育事業が2本柱」であるとした上で、「3本目の柱を作るべく、デジタルカメラ、楽器、プロジェクター、電子文具(電卓やプリンターを含む)事業を統合、研究開発センターとコンシューマ開発本部が一体となって、それぞれの強みを結集、効率化しながら品目の垣根を越えた新しい製品を作っていく」と述べた。

カシオ計算機 コンシューマ開発本部長 中山仁氏

それぞれの強みを結集、効率化しながら品目の垣根を越えた新しい製品を作っていくという

中山氏によれば「デジタルカメラ市場は、前年の75%に減少。特にカシオ製品のフィールドであるコンパクト機市場はこの5年間で1/3以下の規模」という。同時に「スマホでSNSに写真を投稿してコミュニケーションを楽しむ人の数はどんどん増えている。既存のデジタルカメラの概念にとらわれない、映像の楽しさや便利さといった価値を最大限に高め、人々に提供する」とした。

厳しい市場環境ながら、今までにない撮影スタイルと流通や販売施策で事業領域を変革(創出)するカシオの戦略

既存のカメラマーケットの割合は減少し、新たな映像価値のマーケットの割合は増加すると予測

カシオのカメラが進むジャンル「自撮り」と「スポーツ」+撮影法「ハンズフリー」+閲覧環境「アプリ」

「かつてデジタルカメラを手がけるメーカー各社は、画素数やズーム倍率などのスペック至上主義的な競争に翻弄された。が、これからは『カメラで何ができるか』という価値を切り口に商品開発を行う」と力強く語る中山氏。今回の「若い女性ユーザーに向けた主力クラスの商品開発」には、十分にその意気込みが感じられた。