ビジネス向けにセキュリティを重視

これまでスマートフォンやグループウェアを導入してこなかった、あるいはうまく活用できていなかった企業において、相互コミュニケーションのためにLINE WORKSを採用するというのは、決して悪い選択肢ではないだろう。LINEを使ったマーケティングを行なっている企業も多く、LINEが目論むとおり、顧客へのアピールから取引、サポートに至るまでLINEで統一して管理できるという強みも生かしやすくなる。

スタンプなどで集客し、LINE@やLINE公式アカウントでコミュニケーションをとる。LINE WORKSとの連携により、さらにその奥までカバーできるようになる

ただし、LINEにはセキュリティ絡みでのトラブルが何度か発生したことがあり、ビジネス用として使う場合、不安が残るという人もいるだろう。その点はLINE WORKSとしても重視しており、やりとりするデータの暗号化やトークの会話ログの取得、過去データを最長10年ぶんアーカイブできる機能など、企業のコンプライアンスを重視した管理体制が取れるようになっている。また、サービスはすべて日本国内のデータセンターから提供されることになっており、サーバー側の運用体制も厳格に行われているとのこと。サービスレベル保証(SLA)やカスタマーサポートについても十分な体制を準備しているという。

サポート体制は後述する認定パートナーからも受けられるはずだ

実際、過去にLINEで発生したセキュリティ問題には、スマートフォンにパスコードを設定していなかったり、わかりやすいパスワードの使用といった、LINEに起因しない一般的なセキュリティ意識の欠如から起きたものが多い。指紋認証などを適切にセットアップした端末を使うという大前提は必要だが、きちんとしたセキュリティ体制を整えておけば、LINE WORKSでのセキュリティはさほど問題にならないと思われる。個人的には個人LINEの感覚でスタンプなど、今の常識としてはあまりビジネスの場に相応しくないものを多用する社員が出てくるほうが気がかりだ。