LINE WORKSの3つの強み

LINE WORKS自体は企業向けのコミュニケーションサービスであり、トーク、メール、アドレス帳、カレンダー、ファイル共有といった諸機能を1つのアプリに集約して提供する、一種のグループウェアだ。音声通話やビデオ通話も無料で利用できる(後述する外部との連携機能には非対応)。これらの機能はすでに多くのグループウェアが実現済みではあるが、後発であるLINE WORKSの強みは大きく3つ。1つめがLINEと共通のUI、UXを持つ点。2つめが個人向けのLINEとの連携が取れる点。3つめが、PCだけでなくスマートフォンからもフル機能が使える点だ。

1つめについては特に大きく取り上げるまでもないが、トークなどの基本的な画面は従来のLINEと基本的に変わらず、トーク内ではスタンプも利用できる。普段使い慣れたLINEの使い勝手を踏襲することで、すでにLINEを使っているユーザーを教育する手間が省ける。トーク内から予定を作成してすばやく参加者に追加したり、参加者間で予定を合わせるといったことが簡単に行えるようになっているなど、機能間の連携を強化してあり、使いやすさについてもかなり力を入れている。

2つめはLINE WORKSのアカウントで、個人向けLINEのアカウントとトークなどが直接行えることを指す。LINEがビジネス市場に乗り出したきっかけの一つに、「仕事でLINEを使いたくない」という声があったという。システム管理者側の視点では、社員が顧客との連絡にLINEを使っていると、情報漏洩などの管理ができないという問題があった。一方で社員側としては、プライベートなLINEのアカウントを会社に教えたくない。両者の思惑の妥協点として、LINE WORKSを会社が導入し、社員がそのアカウントを使うことで、社員のプライバシーを守りつつ、情報管理も行える点をアピールポイントにするわけだ。また、近年は派遣社員や外部の協力社員など、非正規でメールなどのアカウントを作りにくい勤務形態のスタッフもいる。LINE WORKSであればこうしたスタッフの個人LINEアカウントと連携すればいい。

3つめは、PCに頼らずともフル機能が使えるという点だ。グループウェアでスマートフォン対応しているものの中にはフル機能が使えないものがしばしばあるが、LINE WORKSは最初からスマートフォンでの利用を前提としているため、ユーザーはスマートフォンだけで業務上の連絡をすべてこなせる。

また、LINEといえば既読機能が有名だが、ビジネスにおいて誰がチェックしたかは重要な問題だ。LINE WORKSでは既読機能を使って確認の有無を個人レベルでチェックできるようになっている点をひとつのセールスポイントとしている。また、トークとカレンダー、アドレス帳などが内部で相互に連携していることを活用し、簡単に予定を作成したり、スケジュール調整などが行えるようになっている。