業績厳しいMac
最後にMacについて触れておこう。Macの販売台数は488万6000台、売上高は57億3900万ドルとなった。第4四半期決算は新学期需要が見込めるが、それでも前年同期比でそれぞれ14%減、17%減となっている。iPadのおよそ半分の台数でより多くの収益を得ている一方で、iPhoneユーザーを対象とした成長戦略が奏功しているサービスカテゴリは、前期にすでにMacの売上高を上回るようになった。
Macも、iPhoneのエコシステムに対してアプリを開発するために必須のコンピュータであり、新興国を含め開発コミュニティの成長は、Macの販売を支えていくことになる。
加えて、「現在そして将来のMacユーザーに対して、いくつかの楽しみなニュースが近々発表される」とアップルはコメントしている。これは10月27日のイベントにおいて、新型のMacが披露されることを示唆するコメントだ。
アップルは、iPhoneを主たる収益の柱としながら、その他のカテゴリに良い循環を与える仕組みを作り出そうとしている。
そこから切り離されつつあるiPadも、IBM、シスコに加え、デロイトとの提携を用意しつつ、ビジネス分野でのパートナーシップの強化によって、iPhoneとは別の切り口での「堅調な成長」を目論んでいる最中だ。
中国市場において、アップルが再び成長に転じることができるのか。そしてインド等の新興市場を、新たな成長の柱へと転換できるのか。これらのポイントが、今後の注目点となっていくだろう。