アップルは米国時間10月25日、2016年第4四半期決算を発表した。売上高は469億ドル、純利益は90億ドルだった。収益は9%の下落となった。これで2016会計年度の決算が確定し、2001年以来実に15年ぶりの、前年比減収減益となった。注目されるのはiPhoneの販売台数と、その起爆剤となっていた中国市場だ。

第4四半期中に発売されたiPhone 7は業績にどう影響を与えたか

iPhoneの販売台数は前年比9%減

アップルは9月にiPhone 7、iPhone 7 Plusを発売した。発表された第4四半期決算には、新型iPhoneの発売後2週間の販売も含まれている。

第4四半期におけるiPhoneの販売台数は4551万3000台で、売上高は281億6000万ドルだった。この数字は前年同期比で販売台数は5%減、売上高は13%減という数字となった。

2016年第4四半期におけるiPhoneの販売台数は前年同期を下回る結果に

アップルによると、iPhoneの平均販売単価は619ドルとなった。販売台数の減少以上に、売上高の減少幅が大きくなっているのは、製造コストの上昇、iPhone SEや過去のモデルなどの低価格ラインアップの割合が大きくなっている点が理由に挙げられる。

決算に関するカンファレンスコールの中で、iPhoneの強い需要に供給が追いついていない点を指摘し、iPhone 7については年内に在庫状況が改善するが、iPhone 7 Plusについては約束できないとした。

米国、中国市場で低迷

今回の決算では、引き続き中国市場での弱さが目立つ結果となった。

中国市場での売上高は前年同期比で30%減と、大幅な下落に落ち込んだ。アップルのティム・クックCEOは、「年間を通して、前年比で17%の減少となっている一方で、2014年から比較すると43%の増収を記録している」と指摘。中国市場の数字が振るわない理由について、3%の通貨の下落と、2015年の爆発的な買い替え需要から、通常の買い替え需要に戻ったことによる反動、と説明した。

その上で、中国市場に対しては引き続き強気の見方を崩しておらず、ミドルクラスの成長と、緩やかなLTE対応によるゆっくりとした成長が見られるとし、非常に有望な市場であるとの見方を示している。

米国の売上高が7%減少している点にも驚かされる。こちらについては、iPhoneの需要に供給が追いついていない点に加えて、Macと、Apple Watchを含むその他の製品が、グローバルの数字でそれぞれ17%減、22%減となっている点も影響していると考えられる。Apple Watchについてはすでに新製品を発売済みだが、2016年末のホリデーシーズンにかけて、これらの数字が改善するかどうかに注目べきだろう。 前年同期比で売上高3%増の欧州、そこに加えて日本市場は引き続き好調で、10%のプラスとなった。Apple Pay導入で、iPhone、Apple Watchそれぞれに、好調な反応を示していることが考えられる。

またカナダ、中南米、中東、南アジアでのiPhone販売が好調であった。しかし、アップルにとって最大規模となる米中2市場での下落が足を引っ張った格好だ。