「Human Centric Innovation - Driving Digital Transformation」をテーマに、デジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc」やAIを用いた最先端テクノロジー、昨今話題のセキュリティや金融サービスなど、14にも及ぶジャンルが一堂に会しデモンストレーションが行われた「富士通フォーラム2016」。既報でも公開されたテクノロジーを紹介しているが、本稿では筆者の琴線を刺激してくれたブースの様子をお伝えしていこう。

5月19日、20日に東京国際フォーラムにて開催された富士通フォーラム2016。富士通の最新技術が数多く展示されるとあり、多くの人が集まった

ステージでは富士通の様々な最新技術のプレゼンテーションが行われた。写真はHuman Centric AI Zinraiのデモ

IoTとビッグデータを活用した“体験価値向上”が未来を感じさせてくれた「インドアロケーション」

富士通が力を入れている「MetaArc」の展示ブースは、会場でも最大の20コマにもおよんだ。MetaArcのクラウド基盤「FUJITSU Cloud Service K5」や、クラウドを活用する際のネットワーク運用管理はもちろん、IoTに加えロボットなど幅広い最新技術のデモンストレーションが行われていた。

なかでも筆者の心を動かしたのは、「人やモノ・空間のリアルタイムな位置情報活用~インドアロケーション~」の技術を紹介していたブースだ。今回の「富士通フォーラム2016」の会場では、希望来場者にビーコンを貸与して「人がどの会場内のどのエリアに集まっているか」をリアルタイムで可視化していた。来場者の動静がリアルタイムで把握できることにより、例えば、お客さまをアテンドする要員のオペレーションを最適化する、お客さまの関心事を的確に把握し状況や相手に応じた接客サービスを提供することが可能になるのだ。

こちらが希望来場者に貸与されたビーコンセンサー

ビーコンから情報をリアルタイムに収集することができる。収集したデータを活用してカスタマーエクスペリエンスの向上はもちろん、運営側のオペレーション最適化にも役に立つ

こちらのディスプレイには、会場内のどのエリアにビーコンを持った来場者が多く集まっているかが表示されている。今回、このようなビジュアライゼーションに非常に力を入れていた

もうひとつ注目したのは、かわいらしいロボット「RoboPin(ロボピン)」が来場者を迎えてくれた「ロボット・フューチャー・ビジョン」のブース。展示内容は、人とロボットが協調するこれからの世界の一端を垣間見せるもので、ロボットが人の表情や発した言葉のニュアンス、周囲の環境情報をセンシング。AI技術などを活用し、今必要な情報を提供してくれるというもの。人と人のコミュニケーションの場に、双方を取り持つ第三者として存在するロボットは、ワークスタイルや産業、教育など幅広い分野での活用が期待される。

ロボットなのだが、どこか有機体を思わせる造形の「RoboPin(ロボピン)」

「ロボット・フューチャー・ビジョン」のイメージビデオは富士通デザインのWebサイトもしくはYoutubeで見ることができる