説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneには日本で利用されない緊急速報機能があるの?』という質問に答えます。

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ひょっとして「アンバー・アラート」のことでしょうか? 確かに、日本でこの通知システムは利用されていませんね。しかし、機能としてはiOS 6から搭載されているため、該当地域へ行けば機能をオン/オフできるようになります。

アンバーアラート(Amber Alert)は、米国で未成年者の誘拐や行方不明事件が発生したとき、テレビやラジオ、インターネットなどさまざまな手段を用いて配信される緊急速報です。かつて発生した誘拐事件の反省を踏まえ、当該地域および周辺住民に対し警告メッセージが同時送信されます。iPhoneにかぎらず、アメリカにあるほとんどの携帯電話/スマートフォンが、このメッセージを受信できます。

アンバー・アラートは、米国で運用されている「ワイヤレス緊急警報(Wireless Emergency Alerts、WEA)システム」を利用しています。WEAではアンバー・アラート以外にも、竜巻やハリケーンなど甚大な被害をおよぼしかねない気象に関する事柄や、住民の避難などなんらかの行動を必要とする事柄を、けたたましい警告音とともにテキストメッセージとして送信できます。

WEAは連邦通信委員会や連邦緊急事態管理庁、および携帯電話/通信関連企業の連携により運用され、警察組織など地域の公安機関のほか、国土安全保障省や国立気象局といった政府機関がアクセスできます。

合衆国大統領にも送信権限があり(プレジデンシャル・アラート)、アンバー・アラートとは異なり受信をオフにできません。大統領が直接発する緊急速報というと、かなり深刻かつ重大な内容でしょうから、このまま利用実績がないといいですね。

アメリカでは、緊急警報スイッチのほかに「アンバー・アラート」というスイッチが表示されます