柔軟な使い勝手の向上

そして、アップルはユーザーの使い勝手を改善させる独特のユーザーインターフェースを実装するのが好きだ。そして、それは単に機能が乗っているというだけでなく、その使い勝手にこだわっている。

そう感じさせてくれるのが、たとえば、iOS 9の進化のなかでiPadで使えるソフトキーボード部分をトラックパッド的に使える機能だ。

それにしても、そもそもタッチ操作できるものの上でソフトキーボードを動かし、さらにそれをパッド的に使うというのは非常にトリッキーにも感じてしまう。

キーボードをトラックパッドのように使うと言うと、キーボードをパッドとして使う最近のガラホを思い出してしまうが、iPadはもともとタッチディスプレイをソフトキーボードとして使っており、それをまたタッチパッドとして使うというと、なんだか面白くなってくる。まあ、使い勝手の向上としては確実にプラスなわけだが、アップルジョークという気がしないでもない。

また、マルチタスクに対応し、2つのウインドウを表示し、画面を分割的に作業することもできるのもいい。

ソフトキーボードスペースをパッド的に使える

Siriのアドバンテージ

アップルの1つのトレードマークであるSiriも順調に進化しているようだ。iPhoneで始まったSiriだが、Apple Watchのようなキーボード実装が難しいデバイスでは音声入力が将来的に、より大きなキーになってくるのは間違いないだろう。このあたりは、アップルが他のメーカーに差をつけることができるポイントだ。自動車に接続するCarPlayでもSiriは大きなアドバンテージになるだろう。

今回、iOS 9においてはその認識の正確性が40%アップするという。発表会では、画像を検索したり、リマインダーをセットするデモも見られた。遠くない将来には、ある程度、日常的なことは音声だけで処理できるようになっていくのかもしれない。