まとめと考察
ということで、駆け足でベンチマーク結果をご紹介してきた。全般的に言えば、性能そのものは間違いなく高い。GeForce GTX 980と比較して10~20%のフレームレート上乗せが期待できるというのが性能に関する率直な評価である。
Full HDには明らかにOverkill状態の性能であるが、ただ4K解像度でも十分か? というとちょっと微妙なところ。WQHD(2560×1440pixel)あたりがジャストフィットなのかもしれない。もっとも4Kでも描画オプションを落とせば十分実用域である。
とはいえ、一般的なユーザーにはGeForce GTX 980でも結構十分というか満足して使っておられるケースが多いわけで、ここから更に10~20%のフレームレート改善をどれだけの人が欲しがるか、というのは価格次第ではあるだろう。
さてその価格であるが、今回の製品投入にあわせて、GeForce GTX 980の価格も改定になった。具体的には
モデル名 | 新価格 | 旧価格 |
---|---|---|
GTX TITAN X | 999ドル | 999ドル |
GTX 980 Ti | 649ドル | - |
GTX 980 | 499ドル | 549ドル |
GTX 970 | 329ドル | 329ドル |
GTX 960 | 199ドル | 199ドル |
とされる。現状GeForce GTX 980の価格が7万円程度(5月30日におけるAmazonの最安値はこれだった)であり、新価格ではこれが$50下がる。ということは6000円程度、つまり6万円前半台まで落ちると期待できるわけだ。
一方、現状GeForce GTX 980 Tiは(当初のご祝儀相場が一段落した後は)8万弱に収まると期待できる。本国の価格差は100ドルだが、日本の実売価格で言えば1万5000円~2万円近い差があるかもしれない。
さて、10~20%の性能アップに1万5000円~2万円を支払えるか? というのが次の問題である。
今回はテストしなかったが、GeForce GTX Titan Xとは基本的にそうスペックが変わらない。シェーダの数の差が10%未満だから、性能差はあっても10%程度だろう。
そのGeForce GTX Titan Xの価格は15万前後であり、そこから10%程度性能の低いGeForce GTX 980 Tiが8万なら「お買い得」という見方はもちろん可能である。
ただ最終的にこの金額が高いか安いか、はAMDのFijiがどの位の性能で、いくらで出てくるか次第だろうというのが筆者の正直な感想である。とりあえず性能的にはGeForce GTX 980から明確に引き上げがなされており、NVIDIAとしては打てる手をきちんと打ってきた感じだ。
あとはAMD次第で、NVIDIAしか考えてないという人は話は別だが、そうではない場合、GeForce GTX 980 Tiを買う買わないはソレを見極めてからでも遅くない。性能的にGeForce GTX 980から10~20%の上乗せが2万以下の差額で手に入る、状況は(NVIDIAの中だけで見れば)お買い得感は高いと思う。