Grand Theft Auto V(グラフ55~594)

SQUARE ENIX
http://www.rockstargames.com/V/ja_jp

PC版の発売は、当初2015年1月の予定だったのが、最終的に4月まで伸びたGrand Theft Auto V(GTA V)。DVD 7枚組だのインストールに50GBのHDDが要るだのと、中々に大変なゲームである。筆者はこれもSteamで入手したが、ダウンロードに軽く2時間以上要した。

さて、このGTA Vもゲーム内にベンチマークモードを持っているので、これを使って比較することにしたのだが、そもそもベンチマークモードを起動するためにはまず最初のミッション(銀行強盗)を終了させないといけないというちょっと意地悪な仕様である。

幸いにもこのミッション、いくつかのチェックポイントがあるのだが、3回失敗するとそのチェックポイントをパスできるので、まぁ30分位格闘していればなんとかクリアでき、ベンチマークモードを起動できる。

さてその起動方法だ。ゲームを立ち上げたらメイン画面から"設定"を選び(Photo31)、まず"グラフィックス"メニューを選ぶ(Photo32)。ここで主要な画面設定を変更できる(Photo033)。更に"高度なグラフィックス"メニュー(Photo34)で表示パラメータを変更可能だ。

Photo31:ちなみに一定時間経つと、自動的にイベントが起動されてしまい、そこからこのメニューに戻る方法が無い(あるのかもしれないが、筆者は見つけられなかった)ので、さっさと設定メニューに入る必要がある

Photo32:"ディスプレイ"メニューは無関係

Photo33:背景画像は3種類あり、一番むさい(?)のが、このガソリンもったおっさんである

Photo34:拡張陰影距離は、どうするとオンになるのか今回は判断つかなかった

今回のテスト環境では

  • 推奨上限を無視:オン
  • DirectXバージョン:DirectX 11
  • スクリーンタイプ:フルスクリーン
  • 解像度:1280×720/1600×900/1920×1080/3840×2160pixel
  • 縦横比:自動
  • リフレッシュレート:60Hz(設定できなければ59Hz)
  • 出力モニター:1
  • FXAA:オフ
  • MSAA:X2
  • NVIDIA TXAA:オフ
  • 垂直同期:オフ
  • フォーカスの喪失時にゲームをポーズ:オフ
  • 高度なグラフィックスメニュー:
  • ロングシャドウ:オン
  • 高解像度シャドウ:オン
  • 飛行中の高精細ストリーミング:オン
  • 距離の拡大縮小幅増加:最大から一つ戻し

とした。必ずしも最高の描画品質とは言いがたいのだが、これは理由がある。Photo26/27で上にビデオメモリの容量と使用率が表示されているのが分かる。ここでは解像度が低いのでまだゆとりがあるが、では4K解像度で更に品質を上げるとどうなるか? という例がこちら(Photo35)。

Photo35:ちなみに必要メモリ量はビデオカードの種類によっても変化する。今回だとGTX 780 TiとGTX 980は同じ描画オプションでも必要とされるメモリ量が変化した

必要メモリ量が搭載メモリ量を超えてしまった。この状態でも「推奨上限を無視」をオンにすると設定はできるのだが、著しく性能が落ちた。ということで、今回は一番厳しいGTX 780 Tiの場合で、4K解像度における必要メモリ量が3GBで収まるように、という形で設定を行った結果である。

さて、ここまでやったらあとはTabキーなり「ベンチマークテストを実行」をクリックするなりすると、直ぐにベンチマークテストが開始される。そのベンチマークテストだが、Pass 0~Pass 4までの5部構成である。ただしPass 0~Pass 3は動かないシーンで時間も短いので無視し、Pass 4(橋が明るくなり、飛行機が潜り抜けるところから、交差点で爆発するまで)のみを使って評価した。なおテスト後には結果がテキストファイルの形で保存される。

前書きが長くなったが、そんなわけでテスト結果を。まずグラフ55が平均フレームレートで、GTX 780 Tiがやや面白い動きをしているが、おおむね妥当なところ。GTX 980も90fps近い数字を出しており、Full HD以下なら快適である。

流石に4Kになるとかなり厳しくはあるのだが。ちなみにこの4KでGTX 980がGTX 780Tiに劣るのは、メモリ容量というよりはむしろメモリ帯域の問題ではないかと思う。

最大フレームレート(グラフ56)もこれを裏付けており、Full HD以下なら160~180fpsが維持される。4Kに関して言えば、GTX 980/GTX 980 Tiが100fps台なのにGTX 780 Tiが145fpsというのはちょっと面白いが、平均フレームレートは30fps台な訳で、むしろ描画性能の差が大きいのでプレイしにくいとも言える。

最小フレームレート(グラフ57)はというとこれも面白く、軒並み25~35fps台になっている。プレイには問題ないとは言え、時々カクつく可能性があるということだ。4Kに関しては、GTX 780 Ti/GTX 980が10fpsなのに、GTX 980 Tiが20fpsを維持していることが分かる。

ところでGTA Vはこれ以外にもう一つ面白い数値を出してくれる。それは「フレームレートが30fps以上、及び60fps以上だったのが全体の何%か」という数字だ。

まずグラフ58が30fpsで、Full HDまではどのビデオカードも100%、30fps以上が維持される。バラつくのは4Kで、一番成績の悪いGTX 780 Tiでは半分近くが30fpsを切る形だ。優秀なのはGTX 980 Tiで、99%以上30fpsを維持しており、これは十分プレイできる範疇である。

ただしプレイが快適かどうかという目安は60fps(グラフ59)の方になるだろう。GTX 980ではFull HD以下でも95%程度とちょっと見劣りする。決定的なのは4Kで、どのカードも0.1%程度、というか1回のテストが大体4000フレーム前後で、そのうち2フレーム程度が辛うじて60fpsを超えているに過ぎない。要するに、GTA Vは4Kでもプレイができるが、今のビデオカードで快適なのはFull HDどまり、という事になる。