米Googleの開発者向けカンファレンス「Google I/O 2015」の基調講演では、次期Androidのプレビュー版「M Developer Preview」をはじめ、様々なトピックスが出た。今回の発表会、日々、モバイルニュースを追っているライターの目にはどう映ったのか。ライターの海上忍氏に記してもらった。

最大のトピックは「M Developer Preview」

今年で8回目を数えるGoogleの年次開発者会議「Google I/O 2015」が開幕した。約2時間半におよんだ基調講演は、新しいNexusの発表がないなどコンシューマレベルでのサプライズ要素には乏しかった感もあるが、順当な進化と近い将来への展望を思い描かせるには十分な材料が揃っていた。

最大のトピックは、なんといっても次期Androidのプレビュー版「M Developer Preview」だろう。昨年の「Android L」と同様、菓子類にちなんだ名称やバージョン名は伏せられたままだったが、噂レベルで真偽が不明確だったいくつかの事柄が正式発表された。

そのうちのひとつ「Android Pay」は、3月にバルセロナで開催された「Mobile World Congress」で存在が明らかにされていたモバイル決済プラットフォーム。BluetoothとNFCの組み合わせであること、サードパーティーもこのプラットフォームを利用して決済システムを構築できること、Googleウォレットと並行してサービスが提供されることは明らかにされていたが、詳細は伏せられていた。

NFCを利用したモバイル決済プラットフォーム「Google Play」が正式発表された

指紋認証機能は、モバイル端末で決済を行うAndroid Payには不可欠の要素だ。ただしOSレベルでサポートされるため決済専用ではなく、端末のアンロックにも利用できるほか、認証用のAPIも提供されるという。iPhone/iOSと比較すると遅れてはいるが、まだ"モバイル決済の夜明け前"ということもあり、なんとか間に合ったかな、という印象だ。

次期「Android M」はOSレベルで指紋認証機能をサポートする

しかし、企業のサポートを取り付けることに抜かりはない。紹介されたスライドには、マスターカードやVISAといったカード会社、VerizonやT-Mobileなどの携帯電話会社、そしてベストバイやマクドナルドといった小売りチェーンのロゴが掲げられていた。

Google Payは全米・約70万の店舗で利用できるようになるとのことで、米国外での展開は先になりそうだが、今後の展開によってはApple Payより先に日本国内でサービスインする可能性もなくはない。とはいえ、Google WalletではApple Payに対抗できないという判断があったであろうことは疑いようがなく、戦略性には疑問符が付く。そのあたりの入念さ・周到さが、勝敗に影響してくると思うのだが……。