米Googleは28日(現地時間)、開発者カンファレンス「Google I/O 2015」の基調講演で、IoT(Internet of Things)向けプラットフォーム「Project Brillo」および通信プロトコル「Weave」を発表した。

Brilloは、AndroidのカーネルとHAL(ハードウエアアブストラクションレイヤ) を採用したAndroid派生の軽量OSだが、IoTデバイスの小さなフットプリントに収まり、かつワイヤレスによる接続性やセキュリティなど必要な機能を提供できるようにAndroidを磨き上げた。だから「Brillo」と名付けた。一般的にBrilloは、鍋磨きなどに使われるスチールたわしの製品ブランドとして知られる。

セキュリティカメラやドアロック、各種センサーなど、多種多様なIoTデバイスを連携・機能させるには、OS、通信レイヤ、ユーザー体験を含むエンドツーエンドのソリューションが必要になる。傘下のNestと共に開発したWeaveは、IoT同士を直接結び、またIoTとスマートフォンやクラウドを接続するための通信レイヤである。用意されたスキーマのコアセットによって、たとえば「lock」「unlock」といったフレーズがエコシステム全体で共通の言語として共有される。それによって火災報知器が異常を検知した時に、火災報知器がアンロックの命令を発して、ドアロックがドアを開錠するというような連動が可能になる。Weaveは広く相互運用性を実現するように設計されており、Brilloとの組み合わせだけではなく、既存のスタックの上でも動作させられる。開発者がカスタムスキーマを作成することも可能で、スキーマの正しい動作を確保するためにWeaveの認証プログラムを用意した。

Project BrilloはGoogleのモバイルプラットフォームに組み込まれており、Androidによってサポートされる。BrilloまたはWeaveを採用したデバイスはAndroidデバイスに自動的に認識され、あらゆるIoTデバイスを同じ管理ツールで設定・管理できる。

Brilloは今年第3四半期に開発者プレビューが登場する予定。Weaveはフルスタックのリリースが第4四半期になる見通しだ。