そして今回最も注目を集めているといえるのが「MacBook Air」だ。MacBook Airは「小型軽量」という「可搬性」と同時に、ローエンドモデルの11インチサイズでは「全ラインナップ中で最も安い」という「低価格性」が大きな特徴となっている。現在、同製品では13インチと11インチの2種類の製品がラインナップされているが、これがもし噂通り「Retina対応」した場合、「コスト上昇」と「バッテリ駆動時間の悪化による可搬性の低下」は避けられず、MacBook Airのメリットを殺してしまいかねない。また、MacBook Airは今春にサイレントアップデートが行われているばかりで、Broadwell-Yこと「Core M」シリーズ搭載モデルも考えられるものの、そこまで大幅なリフレッシュはないのではないかと考えられる。
MacBook Airに関して現在噂されているのが、デザインを一新した「12インチMacBook Air」といわれるもので、スペースグレイとゴールドの2種類のラインナップをもって登場するという。
前述Core Mを搭載することで消費電力を大幅に抑えつつファンレスの筐体デザインを採用可能になり、より薄型軽量化を実現できる。省電力化と同時にプロセッサのグラフィック性能も向上しているため、Retinaディスプレイへの対応も可能になるとみられる。
本体デザインは一新され、キーボード部分が本体端までせり出した、かつてのPowerBook G4の小型筐体モデルのような形状になるという話もある。
そして最大のポイントは「USB Type-C」コネクタを採用するという噂で、Type-Cでは裏表のないリバーシブル構造のコネクタとなっているほか、同コネクタをサポートしたUSB 3.1の仕様でDisplayPortや音声信号を含む複数のプロトコルをまとめて1本のケーブルで周辺機器同士を接続可能な仕組みとなっている。
Type-Cはmicro-USBと同程度なサイズのため筐体の薄型化が行いやすく、さらに「最大60W」の給電が可能で、薄型ノートPCであれば別途電源ケーブルを用意する必要なくUSB端子のみで充電まで行えてしまう。前述のWSJの報道によれば、この新型MacBook Airは今年12月にも量産開始とのことで、今回のイベント発表には少々早いタイミングではあるものの、2015年初頭のAppleの目玉商品となる可能性が高いとみられる。クリスマス商戦での入手は難しそうだが、興味ある方は楽しみに待っているといいかもしれない。