中国でのiPhone 5s/5cの出足は不調?

中国市場でのiPhoneの受け入れ状況も気になるところだ。もともと参入としては後発であり、中国市場でのiPhoneの成長率が高いのは間違いない。今年は世界最大の携帯キャリアである中国移動通信(China Mobile)での取り扱い開始もあり、さらに伸びしろが増えたとみられている。

だが中国移動通信での取り扱いが開始された数週間後にあたる1月末には、iPhone 5s/5cの出足はそれほど好調ではないというレポートが出始めてきた。(Google Play対応/非対応を問わず)Androidが中心の中国市場であり、iPhoneはどちらかといえば数ある勢力の1つといった状況ではあるが、3キャリアすべてが取り扱いを開始したとしても、その状況が大きく変化することはなさそうだ。

Androidが人気のワケ

実際のところ、日本と米国以外でiPhoneシェア低下が続いている原因は(一時的にシェアが回復することもあるが、新製品発売直後のみの傾向で全体的には減少傾向)、iPhoneで一定以上のマージンやブランドを維持したいAppleと、実際の市場でのニーズが乖離しつつあることに起因するのではないかと予想できる。

これら地域のユーザーは最新のiPhoneがほしかったとしても、実際には価格が高すぎて手が出せない。そこで値段が下がってこなれた旧世代モデルを安価に入手したり、安くてもそこそこ使える端末を選択することになる。

欧州をいろいろまわって話を聞いていたりするとわかるが、最新iPhoneよりも少し古い世代の端末、あるいはAndroid端末を利用している姿を見かけることが多い。理由は「最新端末は値段が高い」「旧モデルや非ハイエンド端末でも特に困っていない」といったことだという。iPhoneブランドは確かに存在し、新製品の発売日には欧州各都市でも行列ができたりするが、一部熱狂的ユーザー以外の多くの層はそれとは無縁の世界なのかもしれない。