ちょうどこの日は、NTTドコモの新製品発表会があり、朝から晩まで原稿ラッシュ。途中に移動も挟まなければならず、とにかく時間が足りない日だった。こんなときは移動時間すら惜しい。よし、歩きながら原稿を書いてみよう。標準のメモアプリを起動し、キーボードから音声認識のマイクアイコンをタップする。

打ち込んでみたのは以下の文章だ。

NTTドコモの発表会のニュース

おっ……これは意外! と言ったらSiriに失礼だろうか。思った以上にきちんと認識できている。1年前のイメージが残っていたので正直あまり期待していなかったのだが、変換にも間違いがない。たとえば冒頭の単語は「えぬてぃーてぃーどこも」と言っているわけだが、きっちり「NTTドコモ」に変換されている。2013や2014といった数字も完璧だ。律儀にカンマを入れてきたのは余計だが、Siriなりに気を遣ってくれたのだろう。

さらに続けて書いてみよう。

一見よくできているように見えるけど

ぱっと見、よくできているように思えるのだが、怪しい、というか明らかに認識をミスしている部分がある。本来は「「Xperia A」「GALAXY S4」を」となるべきところが、「Xperiaタクシー相互」となってしまっているのだ。「エクスペリア」は正確に聞き取れたのに、なぜ「GALAXY S4」が「タクシー相互」なのか。いやしかし、これは筆者の滑舌が悪いせいかもしれない。そうに違いない。Siriは悪くない。

まぁこのへんの固有名詞は担当編集が勝手に直してくれるに違いない。気を取り直して続きを書いていこう。

ちなみに、句点と読点がないため、異様に読みにくい。どうやら「、」や「。」は自分で「てん」「まる」と入力しなければならないようだ。かぎ括弧や普通の括弧についても同様で「かぎかっこ」「かぎかっことじ」などと指示してやる必要がある。これは仕方ない。

武田ドコモ

完璧じゃん! ……と感動したものの、よーく見るとちょっとおかしい部分がある。「全機種に特徴があり、すべてがドコモの顔となる機種です」となるべきところが、「全機種に特徴があり武田ドコモの顔となる機種です」となっているのだ。「てんすべてが」が「たけだ」と認識されたわけだ。なんでだよ。