消費電力測定(グラフ103~104)

性能ベンチマークはここまでにして、最後に消費電力測定を。グラフ103が待機状態とSandraのArithmetic BenchmarkでDhrystone(Sandra Int)とWhetstone(Sandra Float)、3DMark 11のPerformance ProfileでGraphics Test 1~4(3DMark11 GT1~GT4)、およびBIOHAZARD 6を実施中のそれぞれの実効消費電力を測定したものである。

ちなみにKabiniの評価機の方は、miniDisplayPort経由で画面出力を外部のみ(液晶はOff)とし、極力オンボードデバイスを使わないようにした。当然ながらASUSTeK E45M1-M PROの方は(BIOSで無効化してあるとはいえ)いろいろな周辺チップが搭載されている分、消費電力の絶対値は高めになる。

ただこうしたものの消費電力は稼働状況に関わらず一定であるので、待機状態とそれぞれの状態の消費電力について差を取ることで、こうした無関係なものの消費電力を除外できる。ということでこの差をとったのがグラフ104である。

結果はまぁ圧倒的、として良いだろう。もちろんこの電力差の中にはDIMMの分(DDR3 vs DDR3L)も含まれるからAPUの分「だけ」ということは無いのだが、例えばSandra Intでいえば性能は9.74GIPS vs 29.02GIPSと2.98倍になっており、一方消費電力差は11W vs 7Wで1.57倍改善されているわけだから、性能/消費電力比で言えば4.68倍の改善ということになる。

これはActive Powerだから、Power GatingやClock Gatingで削減できない性質のものであり、したがってプロセスの改善と回路の改善、およびアーキテクチャの改善でこれを実現したことになる。

これはGPUもそうで、例えば3DMark11のGT1 testの場合フレーレートは1.4fps vs 2.1fpsで50%の改善、消費電力は9W vs 5Wで80%の改善だから、性能/消費電力比で言えば2.7倍の改善となるわけだ。

CPUとGPUの両方がフルに動く代表例がBIOHAZARD 6で、ここだと性能が9fs vs 24fpsで2.67倍、消費電力は15W vs 7Wで2.14倍だから、性能/消費電力比は5.71倍も改善されていることになる。

絶対性能はともかく消費電力という観点では非常にKabiniは優秀である、というのがここでの結論となろう。

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