AMDは23日、これまでKabini/Temashという名前で説明されてきた、JaguarコアのCPUにGCNベースのGPUを組み合わせたSoCについて製品発表を行った。そこでこの発表内容の説明と、これに併せて事前に提供された評価機を利用しての性能評価をお届けしたい。

Marketing Position

ご存じの通り、旧来のDesktopを初めとするPCのマーケットは次第に縮小傾向にあり、この代わりにSmartphoneやTabletのマーケットが延びている(Photo01)。

Photo01:この流れはもう珍しい話ではなく、今後の成長はSmartphone~Tabletのエリアが中心になる

もっとも、SmartphoneやTabletと口で言うのは簡単だが、どっからどこまでがこの範疇か、という区切りをつけ難いのも事実。実際市場では、TabletからNotebookまでの範囲で複合的な製品が登場している。AMDはこの部分をKabini/Temashで狙う、という話だ(Photo02)。

Photo02:Performance Tablet~Small Screen Touchが今回の製品ターゲットとなる

この流れの中で、TemashはUltra Low Power Platformと位置づけられ、Media Tablet~Hybridむけに(Photo03,Photo04)、KabiniはMainstream PlatformとしてHybrid~Notebookのエリアに投入されることになる(Photo05)。

Photo03:TabletにTemashを採用すると、こんなことが可能になるという例

Photo04:Notbook向けにTemashを採用した場合の例。'NOT A "NETBOOK"'というあたりがちょっと面白い

Photo05:こちらはKabiniを採用した場合の例

さて、製品ラインナップとしてはTemashがAMD A4/A6(Photo06)、KabiniがAMD E1/E2/A4/A6(Photo07)でそれぞれ展開される。

Photo06:なぜかTemashにはE1/E2が無いが、これは対抗製品がAtomだから、低価格グレードが無いことも関係しているのかもしれない

Photo07:こちらはCeleron/Pentiumとも競合するためか、E1からA6までで展開される

ここで特にKabiniについては、自社の従来の製品に比べてもずっと良い性能/消費電力比を実現していることが強調されている(Photo08,09)。

Photo08:こちらはBrazos/Trinityとの比較。3DMarkやPCMarkを実施して、高い性能をより低い消費電力で実現できていることが示されている

Photo09:こちらはPlatform全体での消費電力比較。KabiniとBrazos 2.0では、平均してシステム全体の消費電力を2W前後下げられるため、バッテリー寿命もこれに応じて延びることが示される

この性能に関して、もう少し細かい結果と競合製品の比較も含めたのがこちら(Photo10,11)。

Photo10:TemashではIntel Core i3-3217Uとの比較を入れているが、LIFE 4 DEAD 2とかBasemark CLを入れるのはやや反則な気が

Photo08:Photo11:こちらはPentium/Core i3との比較となる

ベンチマークの選択は「どうだろう?」と思うものもあるが、これはマーケティング資料なので致し方ないところ。次の2枚は製品のポジショニングで、Temash(Photo12)/Kabini(Photo13)のポジションが示されている。

Photo12:基本的にTemashはPentium/Celeronと競合するポジション。Tablet/Hybridに向いたIntelのバリュー向け製品が無いので、こちらでは競合なしということになっている

Photo13:KabiniはCeleron~Core i3に競合する形。今回試用したA4-5000の場合、Pentiumと丁度競合する形になる

具体的な製品ラインナップはこちら(Photo14,15)である。

Photo14:Photo14:Temash3製品。A6-1460を除き、基本的にはDual Coreである

Photo15:Kabiniはこちら。将来はもう少し製品数が増えるかも知れないが、当面はこんなものである

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