PCMark Vantage v1.2.0(グラフ83~84)

FutureMark
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では実際のアプリケーションとして、まずはPCMark Vantageを。グラフ83がOverallだが、もうどの数字を見てもダブルスコアである。もちろん幾つかのテストは複数処理が同時に進むので、4コアと2コアでは本当にスコアが倍になるものもあるが、Communicationなどは3倍近い性能差だから、単純にコアの数だけの違いとはいいにくい。

そこで代表例としてPCMarkの詳細を示したのがグラフ84である。Scoreの出方が3桁違うので、横軸は対数軸とさせていただいている。なんというか、Productivity 1を例外にすると、どれもKabiniがZacateに大差をつけている。

そこで大差(3倍以上)の例であるCommunications 2と、逆にZacateが検討したProductivity 1の実データを見てみると

Zacate Kabini 単位
Communications 2 13.10 49.98
Data decryption 48.61 344.83 MB/s
HDD - Windows Defender 50.89 172.44 MB/s
Web page rendering 0.91 2.10 pages/s
Zacate Kabini 単位
Productivity 1 279.90 269.27
Text editing 279.90 269.27 KB/s

といった具合。Commiunications 2の方は、そもそも3threadのテストな上、中にData decryptionがあり、またWindows Defenderも並行動作するという「I/Oが非常に多い」テストで、こうしたケースではKabiniが非常に有利になる。

逆にProductivity 1の方は、Text editing「だけ」なので、4Thread+共有L2によるメリットはほとんどなく、むしろ独立L2のZacateの方が変な邪魔が入らないですむし、せっかくのLoad/Storeの帯域拡大もほとんど性能に寄与しない。

そうなるとIPC的にはZacate/Kabiniは同等であり、動作周波数が高い分だけZacateの性能が上になった、ということだろう。とはいえ動作周波数は1割高いのに、処理速度は3%ほどしか向上していないので、効率としてはKabiniの方が上だとは思うが。

ついでにグラフ83でもう一つ気になるのがHDDの結果。同じSSDでどうしてここまで違うのだろう? と思って詳細な数字を見てみると

Zacate Kabini
HDD 1(Windows Defender) 150.09 264.40
HDD 2(gaming) 147.45 218.02
HDD 3(importing pictures) 162.81 246.54
HDD 4(Windows Vista startup) 201.66 292.02
HDD 5(video editing) 122.28 220.81
HDD 6(Windows Media Center) 253.62 339.71
HDD 7(adding music) 84.54 150.35
HDD 8(application loading) 178.15 259.99

といった具合。変な言い方かもしれないが、SSDをフルに活かそうと思ったら、ZacateよりKabiniの方が良いということが分かる結果になった。

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