ソニー「NEX-3N」は「NEX」シリーズのローエンドに位置するミラーレスカメラだ。2012年に発売された「NEX-F3」の後継であり、パワーズーム用のレバーを本体に新設したほか、ボディの小型軽量化や撮影機能の強化を実現している。その性能はどうなのか。実写レビューをお伝えする。

「NEX-3N」

関連記事
ソニー、電動ズームレンズ用ズームレバー搭載のミラーレス一眼「NEX-3N」 (2013年2月25日)
【レビュー】中級機に匹敵する多彩な機能を備えるミラーレス入門機「NEX-F3」 (2012年6月25日)

まずは外観から見てみよう。ボディは奥行き約34.6mmの薄型デザインを採用する。前モデルNEX-F3と比べるとボディはやや小さく軽くなり、デザインも変化した。特に変わったのはグリップ部の形状だ。NEX-F3はホールド性を重視したやや大柄のグリップだったが、NEX-3Nではより薄いグリップに変更になっている。この形状は、女性の手にフィットするように設計されたもの。2011年発売のモデル「NEX-C3」に近いグリップ形状に戻ったともいえる。

またグリップの変更に伴って、NEX-F3ではグリップの上にあったシャッターボタンの位置が本体側に移動したほか、電源スイッチの形状の改良されている。さらに、新しい仕掛けとして、シャッターボタンの回りにズームレバーを搭載した。

シャッターボタンの回りにズームレバーを新設。グリップは薄型タイプを採用

キット付属の標準ズームを装着した状態。ズームレバーはレンズ側にもある

電動ズーム対応のレンズ(標準ズーム「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」)を装着した場合は、このズームレバーで光学ズームの操作ができ、それ以外のレンズでは電子ズーム(デジタルズーム、または全画素超解像ズーム)が作動する。コンパクトデジカメのような感覚でズーム操作をしたい人や、動画撮影の際に片手で素早くズームを行いたい人には役立つだろう。

約46万ドットの3型ワイドのTFTを搭載。ビューファインダーは搭載していない

液晶は180度チルト可動に対応し、ローアングル撮影や自分撮りがスムーズに行える

外見上の特徴のひとつは、前モデルから引き続きチルト可動式の液晶モニタを備えること。最大で180度まで上方向に可動でき、自分撮りやローアングルが気軽に行える。ただし、薄型軽量を優先したためか、下方向への可動ができなくなったのは残念だ。ハイアングルからの撮影を行う場合は、カメラの上下を逆にして構えるといいだろう。

「自分撮りセルフタイマー」を「入」にすると、液晶を180度回転した際に3秒のセルフタイマーが作動する

手動ポップアップ式のフラッシュを内蔵。スローシンクロや後幕シンクロなどが行える

電源はリチウムイオン充電池「NP-FW50」を採用。CIPA準拠のバッテリ寿命は約480枚となる

記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード、メモリースティック PROデュオ/PRO-HGデュオ/XC-HGデュオに対応

次ページ: バランスの良い構図に自動調整してくれる機能が進化